台風に強い家のつくり方

 台風のシーズンになると、強風や豪雨により多くの被害が発生します。家が台風に対して強い構造を持っていることは、家族の安全を守るために非常に重要です。以下では、台風に強い家を作るための基本的なポイントを紹介します。 

屋根の強化

 屋根は家全体で最も台風の影響を受けやすい部分です。特に、強風や飛来物に対する耐久性を高めるためには、屋根材の選定や設置方法が重要です。以下に、具体的な対策を紹介します。

屋根材の選定と固定方法

 屋根材の選択は台風に強い家作りの基本です。特に瓦や金属製の屋根材は、強風に対する耐久性が高いとされています。以下の点に注意して選定および施工を行いましょう。

  • 瓦屋根の固定:瓦を使用する場合、単に乗せるだけでは風で飛ばされるリスクがあります。瓦をしっかりと固定するためには、防風金具瓦専用の釘ビスを用いる必要があります。特に軒先部分や棟部分は風の影響を強く受けやすいため、強化された固定方法が求められます。
  • 金属屋根の選定:金属屋根(ガルバリウム鋼板やアルミなど)は強風に耐える優れた特性を持ちます。瓦棒葺き立平葺きの施工方法を用いることで、風の侵入を防ぎ、飛ばされにくくなります。これらの方法は、適切な勾配を保つことでさらに効果を発揮します。
  • 防水シートの設置:屋根材の下に防水シート(アスファルトルーフィングなど)を敷くことで、万が一屋根材が飛ばされた場合でも、雨水の侵入を防ぐことができます。防水シートは透湿性のあるものを選ぶと、湿気がこもらず建物内部の劣化を防ぎます。また、シートの接合部分は、しっかりと重ね合わせ、防水テープで補強することが重要です。

屋根の形状

 屋根の形状は、風を受け流すかどうかに大きな影響を与えます。以下の形状が台風に強い屋根とされています。

  • 片流れ屋根:風の流れを片側に集中させるため、屋根全体が均一に風を受け止める形状です。勾配を持たせることで、風が屋根を通り過ぎやすくなり、風圧が分散されます。
  • 寄棟屋根:4方向に勾配を持つ寄棟屋根は、風の当たり方が分散され、比較的耐風性が高いとされています。特に、台風の風が多方向から来る地域では効果的です。

屋根の接合部分の強化

 屋根と屋根の接合部分(棟部分や軒部分)は、風の影響を強く受けやすいため、しっかりとした補強が必要です。

  • 棟部分の強化:棟部分は風の侵入を防ぐために特に重要です。棟包み(棟板金)は、しっかりと固定し、防水テープやコーキング材で接合部分を補強します。また、棟の内部には棟換気部材を設置して、内部の湿気を排出しつつ防水性を保つことができます。
  • 軒部分の補強:軒先は風の吹き上げによって屋根材が剥がれやすい箇所です。軒先には軒天(のきてん)や軒先金物をしっかりと設置し、風の影響を最小限に抑えることが重要です。

施工時のポイント

 台風に強い屋根を作るためには、適切な施工が欠かせません。具体的には以下のポイントに注意が必要です。

  • 勾配の確保:屋根は5/100以上の勾配を確保することで、風や雨水を効率よく排出できるようになります。勾配が急なほど風を受け流しやすく、雨水も早く流れるため、漏水のリスクが低減します。
  • 屋根材の適切な配置:瓦や金属屋根を設置する際は、重ね張り重ね縁をしっかり行い、風の流れを考慮して屋根材を固定します。また、屋根材の端部や重ね合わせ部分は特に風が侵入しやすいため、防風金具で補強することが推奨されます。

 これらの対策を取り入れることで、台風に強い屋根を作ることができます。また、屋根の定期的なメンテナンスも重要です。雨樋の詰まりや屋根材の劣化を定期的にチェックし、早期に修理や交換を行うことで、家全体の耐風性を保つことができます。


窓とドアの補強

 窓やドアは、台風の強風や飛来物に対して非常に脆弱な部分です。これらの開口部を強化することで、家全体の防風・防水性を向上させ、台風の被害を最小限に抑えることができます。以下に具体的な対策を紹介します。

シャッターや雨戸の設置

 窓を守るための最も効果的な方法の一つは、シャッター雨戸を取り付けることです。

  • シャッター:アルミやスチール製のシャッターは、窓ガラスに直接風や飛来物が当たるのを防ぎます。手動式や電動式のタイプがありますが、特に電動式シャッターは迅速に操作できるため、台風の接近時に素早く対応できます。加えて、電動式の場合は停電時に備えて手動操作もできるタイプを選ぶと安心です。
  • 雨戸:雨戸は昔ながらの防風対策ですが、強風から窓ガラスを守るのに有効です。現代では、軽量で取り扱いやすいアルミ製の雨戸もあり、台風時だけでなく防犯対策としても利用できます。取り外しが可能な簡易型の雨戸も存在し、必要に応じて取り付けられる点が便利です。

耐風ガラスや強化ガラスの使用

 窓自体を強化するためには、耐風ガラス強化ガラスの使用が効果的です。

  • 耐風ガラス:耐風ガラスは、強風や飛来物による圧力に耐えられるように設計されています。強化ガラスに比べ、飛来物が衝突した場合でも割れにくく、また破損した際も飛び散りにくい特性があります。特に、台風常襲地帯や強風が吹きやすい沿岸部での使用が推奨されます。
  • 強化ガラス:強化ガラスは、通常のガラスに比べて約4〜5倍の強度を持ちます。万が一割れても、鋭利な破片になりにくく、飛び散るリスクが軽減されます。これにより、破損時の二次被害も防ぐことができます。
  • 防犯フィルムの貼付:窓に防犯フィルムを貼ることで、ガラスが割れても飛び散るのを防ぎ、風や雨の侵入を抑えることが可能です。このフィルムは、台風だけでなく、防犯対策にも有効です。

窓枠やドア枠の補強

 窓やドアの枠は、風の圧力によって歪んだり、外れるリスクがあるため、適切な補強が必要です。

  • 窓枠の固定:窓枠がしっかりと壁に固定されていることを確認します。台風時に風の圧力で枠が緩むことがないよう、防風ビス強化金具を使用して枠を強固に固定します。特に大きな窓やバルコニーの窓は風圧を強く受けやすいため、施工時に追加の補強が必要です。
  • ドア枠の補強:ドア枠も窓枠同様、風圧に耐えられるよう強化します。特に外部に面した玄関ドアやテラスドアは、アンカー防風金具を使用して、しっかりと固定します。

ドアの強化

 ドア自体も風圧や飛来物に対して強化する必要があります。以下の方法でドアの耐風性を向上させます。

  • 風圧対策ドア:強風対策として、風圧に耐えることができる耐風設計のドアを採用します。このようなドアは、フレームがしっかりとしており、ドア全体に風が当たった際の圧力を分散させる構造になっています。
  • ロックシステムの強化:ドアが風圧で開かないように、複数のロックポイントを持つドアを選びます。さらに、上下にロックが付いているタイプを選ぶと、より風圧に強くなります。また、防風チェーンボルトも追加することで、ドアの防風性能を向上させることができます。

窓とドアのメンテナンス

 窓やドアは定期的なメンテナンスも重要です。特に以下の点に注意して保守点検を行いましょう。

  • シーリングの点検:窓やドア周りのシーリング材(コーキング)は、時間が経つと劣化して亀裂が生じやすくなります。亀裂や隙間があると、台風時に雨水が浸入し、内部の構造にダメージを与える可能性が高まります。劣化が見られたら、早めにシーリングをやり直します。
  • 蝶番や取っ手のチェック:ドアの蝶番や取っ手が緩んでいると、風圧でドアが歪む原因になります。定期的に緩みを確認し、必要に応じてビスの増し締めや交換を行います。
  • 窓の隙間風対策:窓のパッキン部分が劣化していると、隙間から風や雨が侵入します。パッキンの劣化は、窓の防風・防水性能を大きく低下させるため、交換や補修が必要です。

 これらの対策を講じることで、窓とドアの台風対策を強化し、家全体の耐風性を向上させることができます。台風シーズン前にしっかりと準備を整えることで、被害を最小限に抑え、安全で安心な暮らしを実現しましょう。


外壁の強化

 外壁は、台風時に強風や飛来物から家を守る最前線の部分です。しっかりとした構造や適切な素材の使用によって、外壁の耐風性や耐久性を向上させ、家全体の安全性を高めることができます。以下に外壁を強化するための具体的な対策を紹介します。

外壁材の選定

台風に強い家を作るためには、耐風性の高い外壁材の選定が重要です。

  • 鉄筋コンクリート(RC):鉄筋コンクリートの外壁は、風圧や飛来物に対する耐性が非常に高く、台風に強い家を作るための理想的な素材です。ただし、コストが高くなるため、予算に余裕がある場合に適しています。
  • 強化サイディング:サイディング材の中でも、繊維強化セメント板(FRC)や金属製サイディングなどは、軽量かつ耐久性が高く、台風や飛来物に対する耐性に優れています。また、金属製サイディングは、軽量でありながらも強度が高いため、住宅全体にかかる負荷を軽減しながら、耐風性を向上させます。
  • ALCパネル(軽量気泡コンクリート):ALCパネルは軽量でありながら強度が高く、断熱性能や耐火性能にも優れた素材です。台風時の強風や飛来物から家を守るための外壁材としても有効です。

外壁の構造と施工方法

外壁の構造や施工方法も、耐風性を向上させるために重要です。

  • 下地材の強化:外壁の下地には、構造用合板断熱材入りのサンドイッチパネルを使用することで、強度と断熱性能を向上させることができます。これにより、風圧に対する耐性が高まり、外壁全体がより頑丈な構造になります。
  • 耐震補強材の使用:外壁には、筋交い制震装置などの耐震補強材を導入することで、台風時の強風だけでなく、地震にも強い構造を実現します。特に、外壁全体にかかる風圧を分散させ、建物の耐久性を向上させる効果があります。
  • 通気工法の採用:外壁と内部構造の間に通気層を設けることで、湿気や熱を外部に排出し、結露やカビの発生を防ぎます。台風時の強風や豪雨でも、内部構造が劣化しにくくなり、建物全体の耐久性が高まります。通気工法は、特に木造住宅で効果的です。

シーリングの強化

外壁の継ぎ目や窓・ドア周りのシーリングは、風雨の浸入を防ぐために重要な役割を果たします。

  • 高耐久シーリング材の使用:シーリング材には、シリコン系ウレタン系などの高耐久な素材を使用することで、長期間にわたって防水性を保つことができます。特に、台風の際に発生する激しい雨風に対して効果的です。
  • 適切なシーリング施工:シーリング材は、劣化やひび割れが生じやすい場所です。適切な施工と定期的なメンテナンスが必要であり、特に外壁と窓枠、ドア枠との接合部分は重点的にチェックし、必要に応じて打ち直します。

外壁の補強技術

外壁そのものを強化する技術も、台風対策に有効です。

  • 外壁補強ネットの使用:外壁の下地に補強ネットを使用することで、外壁材が風圧や飛来物に対してより強固になります。特に、モルタル仕上げの外壁では、メッシュシートを使ってひび割れ防止効果を高めることができます。
  • 外壁塗装のメンテナンス:外壁の塗装は、風雨や紫外線から建物を守る重要な要素です。塗装が劣化すると、外壁材が直接風雨にさらされて劣化が進むため、定期的に外壁の塗り替えを行うことが必要です。特に、防水性のある塗料を選ぶことで、耐風性と防水性を同時に向上させることができます。

外壁と基礎の接合部の強化

外壁と基礎の接合部分は、台風時の強風にさらされるため、しっかりとした補強が必要です。

  • アンカーボルトの使用:基礎と外壁を強固に固定するために、アンカーボルトを使用します。これにより、外壁が風圧で押されても、建物全体の強度が保たれます。
  • ベースパッキンの設置:基礎部分にはベースパッキンを設けることで、基礎と外壁の間に通気層を作り、湿気を逃がしつつ、外壁全体を強化します。これにより、基礎部分の腐食や劣化を防ぎ、長期的な耐風性を確保します。

外壁のメンテナンス

外壁の耐風性を長期間保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

  • ひび割れや浮きの点検:外壁にひび割れや浮きが見られる場合、早めに補修を行います。特に、台風の前後には外壁の状態を確認し、必要に応じて補修やシーリングの再施工を行います。
  • 塗装の定期的な点検と補修:外壁の塗装が剥がれている箇所や、色あせが見られる場合は、再塗装を検討します。塗装の劣化は外壁の保護機能を低下させるため、台風のシーズン前には特に注意して点検します。

 これらの対策を取り入れることで、外壁の耐風性を大幅に向上させ、台風時の被害を最小限に抑えることができます。特に、外壁材の選定と適切な施工、そして定期的なメンテナンスが家全体の防風対策の要となります。


排水設備の整備

 台風時には、豪雨による水害が発生しやすく、家の周囲や内部に水が溜まることで大きな被害を受ける可能性があります。そのため、排水設備をしっかりと整備することで、浸水や雨漏りのリスクを減らすことが重要です。以下に具体的な対策を紹介します。

雨樋(あまどい)の設置とメンテナンス

 屋根に降り注ぐ大量の雨水を効率的に地面へ排出するためには、雨樋の設置が不可欠です。

  • 適切な雨樋の選定:雨樋は、家の規模や屋根の形状に合わせて選ぶことが重要です。特に、豪雨に対応できるように大容量タイプの雨樋を選ぶと、急な大雨でもスムーズに排水できます。また、耐久性の高いステンレス製樹脂製の雨樋を使用することで、長期間にわたり劣化を防ぐことができます。
  • 定期的な清掃とメンテナンス:雨樋が詰まると、雨水が溢れ出し、屋根や外壁にダメージを与える可能性があります。特に、落ち葉ゴミが溜まりやすい箇所は定期的に清掃し、詰まりを防ぐことが必要です。清掃しにくい場合には、雨樋ネットを取り付けて、ゴミの侵入を防ぐことも効果的です。

排水口と排水管の整備

 家の周囲に設置される排水設備も、台風時には特に重要です。適切に設計・整備された排水口や排水管は、豪雨時に家の周囲に水が溜まるのを防ぎます。

  • 排水口の設置場所:排水口は、家の周囲の低い位置や、雨水が集まりやすい場所に適切に設置する必要があります。また、排水口の数を増やすことで、より効率的に水を排出できるようになります。特に、庭や駐車場の排水設備には注意が必要で、浸透桝(しんとうます)や排水桝を適切に配置し、排水が詰まらないようにします。
  • 排水管の太さと傾斜:排水管は、豪雨時の大量の水を効率よく流せるよう、十分な太さを持たせる必要があります。特に、直径100mm以上の排水管を使用することが一般的です。また、排水管には適切な傾斜をつけて、重力により水がスムーズに流れるように設計します。排水管が詰まりやすい場合には、定期的な点検や清掃が必要です。

排水溝と排水トラップの設置

庭や駐車場の排水対策には、排水溝や排水トラップの設置が有効です。

  • 排水溝の整備:家の周囲の地面や庭には、排水溝を設けて水が溜まらないようにします。特に、透水性の舗装材を使用することで、地面に水が浸透しやすくなり、排水効果が向上します。排水溝は、定期的に掃除し、ゴミや泥が詰まらないように注意します。
  • 排水トラップの設置:排水トラップを設けることで、排水溝や排水口から悪臭や害虫の侵入を防ぐことができます。特に、屋外の排水口には適切なトラップを設置し、排水がスムーズに流れるように維持します。

地盤の排水対策

 地盤が排水能力を持っていないと、台風時に水が溜まってしまう可能性があります。特に、粘土質の地盤では水はけが悪いため、排水対策を強化する必要があります。

  • 浸透桝の設置:庭や敷地内の排水対策として、浸透桝を設けることで、雨水を地中に浸透させ、家の周囲に水が溜まるのを防ぎます。浸透桝は、地下に設置された砂利層透水材を通して雨水を分散させる仕組みであり、排水効果を高めます。
  • 排水ポンプの設置:排水が難しい地盤では、排水ポンプを設置することで、低地に溜まった水を迅速に排出することが可能です。特に、地下室や地下駐車場がある家では、排水ポンプが非常に有効です。

屋根からの排水対策

屋根に溜まった雨水を効率よく排出するための対策も重要です。

  • 屋根勾配の確保:屋根に適切な勾配を持たせることで、雨水が迅速に排水され、屋根に水が溜まるのを防ぎます。勾配が急なほど雨水が流れやすく、台風時の豪雨にも対応できます。
  • 集水器の設置:雨樋に集水器を取り付けることで、屋根に降り注ぐ雨水を効率的に集めて排水口へ流すことができます。集水器は雨樋の一部として機能し、ゴミを除去しながら排水効率を向上させます。

排水設備の定期的な点検とメンテナンス

 排水設備は、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、台風時に適切に機能するよう維持する必要があります。

  • 雨樋や排水口の清掃:落ち葉やゴミが溜まりやすい雨樋や排水口は、定期的に掃除を行います。詰まりがある場合は、専用の器具やプロフェッショナルによる清掃を依頼することが効果的です。
  • 排水桝の点検:排水桝に泥やゴミが溜まると排水がスムーズに行えなくなります。定期的に点検し、詰まりがないか確認します。また、必要に応じて専門業者に清掃を依頼することが推奨されます。

 これらの対策を講じることで、排水設備を強化し、台風時の浸水や水害のリスクを大幅に減らすことができます。特に、家全体の排水設備を見直し、豪雨に対応できるようにすることが重要です。


家の周囲の対策

 家そのものを強化するだけでなく、家の周囲の環境整備を行うことで、台風による被害をさらに軽減することが可能です。台風時には、強風による飛来物や倒木、洪水などが考えられるため、家の周囲にも適切な対策を講じることが重要です。以下に具体的な対策を紹介します。

樹木の管理

強風によって倒れる恐れのある樹木や、枝が家に接触する可能性のある木々の管理が重要です。

  • 剪定(せんてい):大きな樹木や枝が家に近接している場合、台風時に倒木や枝折れの危険があります。特に、老朽化した木弱った木は風に耐える力が弱いため、台風シーズン前に剪定しておきます。剪定は、枝が風に煽られにくくするための効果もあります。
  • 倒木リスクの軽減:樹木が家に倒れるリスクがある場合は、木の根を確認し、倒れやすい状態になっていないかを確認します。また、台風時に倒木しやすい樹木は、事前に専門業者による伐採を検討することが必要です。

飛来物の整理

 庭やベランダにある物が風で飛ばされ、窓や外壁に損傷を与えることを防ぐためには、事前の整理が重要です。

  • 軽量な物を室内へ収納:風で飛ばされやすい植木鉢ガーデン家具アウトドア用品は、台風前に屋内に収納するか、しっかりと固定します。特に、軽量のプラスチック製品や小さな物は風で飛ばされやすいので注意が必要です。
  • 固定できる物の強化:ガーデンチェアやベンチなどの大型家具は、ロープや重りを使用してしっかりと固定します。また、ベランダの物干し竿やバイク、自転車も固定しておくことで、風で飛ばされるリスクを減らします。

フェンスや塀の補強

家を囲むフェンスも、強風で倒れる可能性があるため、事前の補強が必要です。

  • ブロック塀の点検:古くなったブロック塀は、劣化していると風圧で倒れるリスクがあります。特に、ひび割れがある場合や構造に不安がある場合は、専門業者に依頼して点検や補修を行います。必要に応じて、ブロック塀にアンカーを打ち込み、強度を高めることが推奨されます。
  • フェンスの固定:軽量なアルミフェンス木製フェンスは、強風で倒れやすいため、固定用の支柱を追加して補強することが効果的です。また、フェンスの根元部分をしっかりと地中に埋め込むことで、耐風性が向上します。

排水設備の整備

家の周囲の排水設備が整っていないと、豪雨による水害のリスクが高まります。

  • 庭の排水対策:庭に水が溜まりやすい場所がある場合、排水桝浸透桝を設置して水はけを改善します。また、地面に透水性のある砂利や石を敷くことで、水がスムーズに地中に浸透し、庭の水害リスクを軽減できます。
  • 排水溝の整備:家の周りに設置された排水溝は、ゴミや土砂で詰まりやすいため、定期的に清掃を行い、排水が滞らないようにします。特に台風前には排水溝の確認を行い、詰まりがないことを確認しましょう。

ベランダやバルコニーの排水対策

 ベランダやバルコニーは、雨水が溜まりやすい場所であり、排水がうまくいかないと水が溢れ、室内に浸水するリスクがあります。

  • 排水口の清掃:ベランダやバルコニーに設置されている排水口がゴミや落ち葉で詰まっていないか定期的に確認します。詰まりがあると雨水が溢れ出し、窓やドアから室内に水が浸入する可能性があります。
  • 防水シートの点検:ベランダやバルコニーの床面に敷かれた防水シート防水加工が劣化している場合、雨水が浸透して下の階や室内に漏れることがあります。防水シートの亀裂や破損がないか確認し、必要に応じて補修や再施工を行います。

太陽光パネルやアンテナの補強

 屋根に設置された太陽光パネルテレビアンテナは、風で飛ばされたり破損したりするリスクがあるため、しっかりと補強する必要があります。

  • 太陽光パネルの固定強化:太陽光パネルは風を受けやすいため、専用の固定金具を使用して強固に固定します。また、台風時にはパネルの表面に飛来物が当たるリスクがあるため、耐衝撃性のあるパネルを選ぶことで、破損を防ぐことができます。
  • アンテナの補強:テレビアンテナや通信アンテナは、風で倒れないように支柱を増やすロープで固定するなどの補強対策を行います。特に、屋根の上に設置されている場合は、定期的に点検し、緩みや腐食がないか確認することが重要です。

 これらの対策を取り入れることで、家の周囲の安全性を高め、台風時の被害を最小限に抑えることができます。特に、風で飛ばされやすい物や倒れやすい樹木など、日常的に整理やメンテナンスを行うことで、台風のシーズンに備えることが大切です。

まとめ

 台風に強い家を作るためには、屋根、窓、ドア、外壁、排水設備、家の周囲の対策を総合的に行うことが重要です。これらの対策を講じることで、台風の被害を最小限に抑え、家族の安全を守ることができます。日頃からの準備とメンテナンスを怠らず、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。

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