建築時・改修時・居住中のそれぞれの対策ポイント

白蟻から家を守るために知っておきたい基礎知識
タイミングごとに変わる白蟻対策のベストアクション

 白蟻対策は、「ある時期に一度やれば終わり」というものではありません。建物のライフサイクルには、新築時・改修時・居住中など複数のフェーズがあり、それぞれで取るべき対策も異なります。つまり、「いつ、どんな防蟻処置を行うか」が、白蟻から家を守るための鍵になるのです。 

ライフステージ別の対策ポイント一覧

タイミング主な対策特徴・目的
建築時土壌処理、防蟻材の使用、基礎通気の確保長期的な安心を築く「初期防御」
改修時防蟻再処理、既存部の確認・補強劣化部分を更新し、白蟻リスクを再評価
居住中点検・湿気対策・換気管理日常的な「予防保守」で被害を未然に防ぐ

それぞれの段階で、目的と方法が異なることを理解しておくことが大切です。

 

建築時に行うべき白蟻対策

 建築時は、最も確実かつ強力な白蟻対策が可能なタイミングです。建物全体に手が届くため、予防処置の自由度が高く、費用対効果も抜群です。

推奨される建築時の対策例:

  • 基礎周りの土壌処理(防蟻薬剤)
     → 白蟻の侵入経路を根本から遮断
  • 防蟻処理済木材・防腐材の使用
     → 長期間の耐久性と安全性を確保
  • ベタ基礎+防湿シート+通気口の配置
     → 湿気がこもらない床下環境をつくる
  • 断熱材使用時の構造設計
     → 基礎断熱施工の際は、白蟻が断熱材を通って侵入しない設計に注意

新築時にしっかり対策しておけば、その後の白蟻リスクは大きく下がります。

 

改修・リフォーム時の注意点と対策

リフォームや増築、耐震補強などの改修工事は、隠れていた白蟻被害の発見チャンスでもあります。

改修時の具体的対策:

  • 既存の木材の防蟻再処理
     → 古い防蟻処理は10年程度で効果が薄れるため、再処理を実施
  • 壁や床の内部確認・蟻道の有無チェック
     → 内部の隠れた被害を早期発見
  • 水回り周辺の補修と乾燥対策
     → 配管からの漏水・結露などは白蟻にとって絶好の環境

改修時は「白蟻対策の見直しと再強化」の絶好のチャンスです。

 

居住中に行う日常的な予防措置

住みながらでもできることは多くあります。
特に「湿気の管理」「点検の習慣化」は、白蟻を寄せ付けない環境づくりに直結します。

居住中のチェックポイント:

  • 床下通気口をふさがない(荷物・植栽などで塞がない)
  • 庭の廃材・木片を基礎近くに置かない(餌場になる)
  • 羽アリの発生を見逃さない(初夏や秋に多い)
  • 床の軋み・沈み・湿りを感じたらすぐ点検(早期発見が命)
  • 5~10年ごとの専門家による点検を習慣に

日常の“小さな気づき”が、白蟻から家を守る最大の手段です。

 

■ まとめ:すべての時期に、適切な防蟻対策を

建築時は「最も効果的な処置の時期」、改修時は「再評価と強化のタイミング」、居住中は「日常的な予防の積み重ね」。白蟻対策は、“いつ・なにをするか”がとても重要です。各段階でできることを的確に行い、家を白蟻から長く守りましょう。

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