購入前・契約前にどれだけ慎重に確認しても、工事中や引渡し時のチェックを怠ると、住宅トラブルは発生します。実際の相談では、
- 図面通りだと思っていた
- 専門家が見ているはずだと思っていた
- 忙しくて現場をよく見ていなかった
こうした理由から、完成後に初めて不具合に気づくケースが後を絶ちません。この章では、工事中・引渡し時に「最低限ここだけは押さえておきたい」視点と考え方を整理します。
工事中のチェックは「完璧」を求めなくてよい
工事中のチェックというと、「専門的な知識がないと無理」「現場で指摘すると嫌がられるのでは」と感じる方も多いでしょう。しかし、工事中のチェックで求められるのは、施工の良し悪しを判断することではありません。大切なのは、
- 図面と大きく違っていないか
- 説明を受けていない変更がないか
- 不安に感じる点が放置されていないか
こうした違和感を見逃さないことです。
図面と現場が一致しているかを意識する
工事中に確認したい最も基本的な視点は、「図面で見た内容と、現場が同じかどうか」です。たとえば、
- 窓の位置や大きさが違う
- 壁の位置が図面と異なる
- 予定していた収納がなくなっている
こうした変更は、「工事上の都合」「問題ない範囲」と説明されることがあります。しかし、説明と合意のない変更は、後のトラブルの原因になります。小さな違いでも、気づいた時点で確認することが重要です。
工事中だからこそ見える部分がある
完成してしまうと見えなくなる部分は、意外と多くあります。
- 構造材の状態
- 断熱材の施工状況
- 金物や補強の位置
- 配管・配線の通り方
これらは、完成後に「やり直す」ことが極めて困難です。専門的な判断はできなくても、
- 写真を残す
- 説明を受ける
- 不明点を記録する
こうした行動だけでも、将来のトラブル回避や説明責任の明確化につながります。
引渡し時のチェックは「生活目線」で行う
引渡し時の検査というと、キズや汚ればかりに目が行きがちですが、本当に重要なのは生活目線での確認です。例えば、
- 扉や窓がスムーズに開閉するか
- 設備が正しく動作するか
- 水漏れや異音がないか
- 仕上げに不自然な歪みや隙間がないか
これらは、住み始めてから気づくと、「引渡し後だから」と対応が遅れることもあります。
「その場で言えなかった」が一番の後悔になる
引渡し時の立ち会いでは、
- 周囲に人がいて言いづらい
- 雰囲気を壊したくない
- 専門家に任せているから大丈夫だと思った
こうした心理が働きやすくなります。しかし、後になってからの相談で最も多い言葉は、「あの時、気になっていたんです」です。引渡し時は、遠慮よりも確認を優先してよい時間だということを、ぜひ覚えておいてください。
是正事項は必ず「書面」で残す
引渡し時に指摘した内容については、
- いつ
- どこを
- どのように
- いつまでに
是正するのかを、必ず書面で残すことが重要です。口頭での約束は、時間が経つほど曖昧になり、認識のズレを生みます。チェックリストや是正表の形で整理しておくことで、引渡し後のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
工事中・引渡し時のチェックは、欠陥や住宅トラブルを防ぐための最後の重要な関門です。
- 工事中は「違和感」に目を向ける
- 図面と現場の一致を意識する
- 見えなくなる部分を記録する
- 引渡し時は生活目線で確認する
- 遠慮せず、その場で伝える
- 是正内容は必ず書面で残す
これらを意識するだけで、「引渡し後に気づいて後悔する」ケースは大きく減らせます。

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