蟻道の発見

白蟻から家を守るために知っておきたい基礎知識
白蟻の侵入ルートを暴く、最大の“見える証拠

 白蟻の存在を早期に発見するための、もっとも明確で信頼性の高い証拠のひとつが蟻道(ぎどう)**です。蟻道とは、白蟻が外部と巣の内部を行き来するために作る、土や排泄物、唾液を混ぜて固めた“通路”のこと。これが見つかれば、その家に白蟻が侵入・生息している可能性は非常に高いと考えてください。

蟻道とは何か?

 白蟻は体が乾燥に弱く、光を嫌います。そのため、木材やコンクリートの表面を移動するときも外気に触れないように土でトンネル状の道をつくりながら進みます。これが「蟻道」です。

蟻道の特徴

  • :こげ茶〜黒っぽい色
  • 太さ:5mm〜1cm程度の幅が多い
  • 素材:土、木の粉、白蟻の排泄物、唾液などを混ぜて固めたもの
  • 場所:建物の基礎、土台、外壁、水道管・配線のすき間、床下、押し入れの壁など

どこを探せばいい?蟻道ができやすい場所

 蟻道は、地面から木部へ侵入するルートに沿って作られることが多く、以下のような場所を重点的に確認するのが効果的です。

観察ポイントチェック内容
基礎立ち上がり部基礎のコンクリート表面に、土でできた筋のようなものがついていないか
束石と土台の間束石と木部の接触部に、土が盛り上がっていないか
水回りの床下湿気が多く蟻道が好まれる。配管の貫通部も要注意
外壁の隅・基礎との接合部クラックやすき間を利用して、外から内部へ蟻道をつくる
押し入れや床下収納の壁の裏木部に蟻道が伸びているケースあり。室内にも現れることがある

蟻道の種類と意味

蟻道は主に3種類に分類され、それぞれ白蟻の活動状況や目的を表します。

種類特徴と意味
探索蟻道巣の周囲に伸びている細くて薄い道。新しい餌場を探す段階。
通行蟻道太く長く、巣と餌場をつなぐ本格的な通路。活動が盛んな証拠
補修蟻道人に壊されたり崩れた蟻道を再構築したもの。再侵入の可能性大。

蟻道を見つけたときの注意点

すぐに壊さない

 つい蟻道を壊したくなりますが、壊すことで白蟻が警戒し、見つかりにくくなる可能性があります。まずは写真を撮って記録しましょう。

白蟻が実際にいるか確認

 蟻道を少しだけ開いて、中に白い体の白蟻が通っているかを目視で確認します。白蟻がいれば、今まさに被害が進行中と考えられます。

放置は絶対にNG

 たとえ小さな蟻道でも、その奥には数万〜数十万匹の白蟻が潜んでいる可能性があります。早めに専門業者へ連絡し、点検と防除の依頼をしましょう。

まとめ:蟻道は白蟻からの“明確な警告”

 蟻道は、白蟻が家に入っていることを自ら教えてくれている痕跡です。つまり「まだ気づかれていないと思っている状態」であり、このタイミングで対処できれば、被害を最小限に抑えることができるのです。

小さな土の筋が、家を守る大きなサインになる。

白蟻の初期発見において、「蟻道」は最重要チェックポイントのひとつです。

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