目視でできるセルフチェック

目視でできるセルフチェック 中古住宅購入の基礎知識
セルフチェックは“判断材料の整理”が目的

 中古住宅を内覧するとき、専門的な道具がなくても、自分の目で確認できるポイントは意外と多くあります。ここでは、購入前にぜひ押さえておきたい「目視でできるセルフチェック項目」を整理します。

外壁のひび割れ・汚れ・浮きを確認する

 まずチェックしたいのは外壁です。建物の外壁は、雨や紫外線の影響を最も受けるため、劣化のサインが表れやすい場所です。

 ・細いひび割れが多くないか
 ・ひび割れが斜めや縦方向に長く伸びていないか
 ・壁が浮いている、剥がれている部分はないか

小さなひび割れでも、内部に水が入る原因になることがあります。

基礎のひび割れや欠けをチェックする

建物の足元である基礎は、住宅の安全性に直結する重要な部分です。

  ・基礎に大きなひび割れがないか
  ・ひび割れが斜めや横方向に入っていないか
  ・欠けや補修跡が多くないか

髪の毛程度の細いひび割れは珍しくありませんが、
幅が広いものや長く続くものは注意が必要です。

屋根・軒先・雨樋の状態を見上げて確認する

 屋根は近くで見られないことが多いですが、見上げるだけでも分かるサインがあります。

  ・瓦や屋根材がずれていないか
  ・軒先が波打っていないか
  ・雨樋が外れていたり、歪んでいないか

これらは、雨漏りの前兆になっていることがあります。

室内の床・壁・天井の違和感を感じ取る

室内では、見た目だけでなく「感覚」も大切です。

 ・床が傾いている感じがしないか
 ・歩くと沈む、きしむ場所はないか
 ・壁や天井にシミや変色がないか

特に天井のシミは、過去または現在の雨漏りを疑う重要なサインです。

建具(ドア・窓)の開閉を実際に試す

 建具の動きは、建物の歪みや経年劣化を知るヒントになります。

  ・ドアや引き戸がスムーズに開閉できるか
  ・窓が途中で引っかからないか
  ・鍵がきちんとかかるか

複数の建具で不具合がある場合、建物全体の歪みが疑われることもあります。

水まわりの使用感とにおいを確認する

可能であれば、水まわりは実際に使わせてもらいましょう。

  ・蛇口から水を出したときの音や水量
  ・排水の流れが悪くないか
  ・下水やカビのにおいがしないか

においは、配管や床下のトラブルを知らせる重要な手がかりです。

バルコニー・ベランダの床と排水口を確認する

バルコニーやベランダは、雨漏りトラブルが非常に多い場所です。

  ・床にひび割れや膨れがないか
  ・排水口が詰まっていないか
  ・手すりや笠木がぐらついていないか

見た目がきれいでも、防水の劣化は目に見えにくいことがあります。

「違和感」をそのままにしない

セルフチェックで最も大切なのは、小さな違和感を見逃さないことです。「なんとなくおかしい」「他の家と比べて違う気がする」そう感じた点は、必ずメモを取り、後で専門家に確認してもらいましょう。

最後に:セルフチェックは“判断材料の整理”が目的

目視によるセルフチェックは、良し悪しを自分で断定するためのものではありません。

  ・どこが気になるのか
  ・どこを重点的に見てもらうべきか

を整理するための大切なステップです。そのうえで、インスペクション(住宅診断)につなげることで、より安心した判断ができるようになります。

タイトルとURLをコピーしました