土地探しがある程度進むと、次に多くの方が悩むのが「土地にどれくらいお金をかけていいのか」
という問題です。
土地と建物は、家づくりにおける二大コストです。しかし、この二つは別々に考えてはいけません。
土地代と建物代は常にセットで考え、全体のバランスを取ることが、後悔しない家づくりの基本になります。
「土地にお金をかけすぎる」ことで起こること
立地が良く、条件の整った土地を見ると、「多少建物を抑えても、この土地なら価値がある」と感じることがあります。しかし、土地に予算をかけすぎると、次のような問題が起こりやすくなります。
- 建物の延床面積を削らざるを得ない
- 断熱性能や耐震性能を下げざるを得ない
- 設備や仕上げで妥協が増える
- 将来の修繕やメンテナンス費用に余裕がなくなる
家は、建てた瞬間がゴールではありません。住み続けるための性能や余力を削ってしまうと、長い目で見た満足度は下がってしまいます。
「建物を優先しすぎる」場合の注意点
一方で、「建物にこだわりたいから土地は安く」と考えた結果、思わぬ負担を抱えるケースもあります。
- 地盤改良や造成工事が必要だった
- 高低差や擁壁で追加費用がかかった
- 法規制により希望の家が建てられなかった
- 周辺環境や災害リスクに不安が残った
一見安く見える土地でも、建てるための条件が厳しい土地 は、結果的に総額が高くなることも少なくありません。
「総額」で考えることが、バランスの第一歩
土地代と建物代を考える際に、最も大切なのは「家づくりにかかる総額」を先に把握すること です。総額には、次のような費用が含まれます。
- 土地代
- 建物本体工事費
- 造成・地盤改良・外構費
- 諸費用(登記・ローン・税金など)
この総額の中で、「土地にいくらまで使えるのか」「建物にどれだけ確保すべきか」を逆算していくことが、現実的な予算計画になります。
一般論に振り回されないことが大切
よく、「土地3割・建物7割が理想」「立地が良ければ土地にお金をかけるべき」といった話を耳にします。しかし、これらはあくまで参考値であり、正解ではありません。
- 家族構成
- 住まい方
- 地域特性
- 将来の暮らし方
によって、適切なバランスは大きく変わります。大切なのは、自分たちにとって何を優先するのかを明確にすること です。
建築士の立場から伝えたいこと
専門家の立場から見ると、「土地に予算をかけすぎて、建物の質が下がる」ケースはとても多く見受けられます。土地は変えられませんが、建物の性能が低い家は、住み心地と将来コストに確実に影響します。
だからこそ、土地を見るときには必ず、「この土地で、どんな家が、どのくらいの予算で建てられるのか」をセットで考えることが重要です。
バランスの良い家づくりとは
土地と建物のバランスが取れた家づくりとは、「どちらも完璧」な状態ではありません。
- 多少立地に妥協しても、安心して長く住める家
- 建物はシンプルでも、性能と暮らしやすさを確保
- 将来のメンテナンスや生活に余裕がある
こうした視点で見たとき、結果的に満足度の高い家 になることが多いのです。
