UA値とは何か(住宅全体の断熱性能指標)

断熱完全ガイド
断熱性能を「数字」で見るということ

 前節では、熱の伝わり方(伝導・対流・輻射)を学びました。では、その熱の逃げやすさを家全体として数値化したものは何でしょうか?それが「UA値(ユーエーち)」です。

UA値とは何か

 UA値とは、外皮平均熱貫流率(がいひへいきんねつかんりゅうりつ)のことです。 簡単に言えば、

「家の外へ、どれだけ熱が逃げやすいか」を示す数値

です。もう少しわかりやすく言うと、冬、室内を暖房で20℃にしていても、外が0℃なら熱は外へ逃げようとします。その「逃げやすさ」を家全体で平均化したのがUA値です。

数値の意味

UA値の単位は、W/㎡・K と表されます。意味は、1㎡あたり、温度差が1℃あるとき、何ワットの熱が逃げるか、ということです。

大事なポイント

 ✔ UA値は小さいほど高性能
 ✔ 数値が小さいほど熱が逃げにくい
 ✔ 家全体の断熱バランスを表す

数字で見るとどう違う?

例を挙げてみましょう。

住宅性能UA値断熱レベル
昭和基準1.5前後寒い
平成初期0.87前後普通
現行省エネ基準0.87~0.46(地域による)標準
ZEH水準0.6~0.4高性能
HEAT20 G20.46以下非常に高性能

※地域区分により基準値は異なります。

ZEH水準とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準の断熱性能を満たすレベルを指します。高断熱化と省エネ設備を組み合わせ、年間のエネルギー消費量を実質ゼロに近づける住宅の基準です。

HEAT20 G2とは、民間団体「HEAT20」が定める高断熱住宅基準のひとつで、冬でも室温が大きく下がらない快適性・健康性を重視した断熱性能レベルを指します。ZEH水準よりさらに高い断熱性能を求める基準です。

UA値はどこを評価しているのか

UA値は、次の部分をすべて含みます。

  • 外壁
  • 屋根・天井
  • 床・基礎
  • 窓・ドア

つまり、

「窓だけ良くてもダメ」
「壁だけ厚くてもダメ」

家全体のバランスが問われるのです。

なぜUA値が重要なのか

■ 冬の寒さを左右する

 UA値が高い(=性能が低い)家は、暖房を止めるとすぐ冷えます。

■ 光熱費が変わる

 UA値が低い家は、暖房エネルギーが少なくて済みます。

■ 結露リスクを左右する

 断熱性能が低いと、室内表面温度が下がり結露が発生します。

UA値だけで判断してよいのか?

UA値は「熱の逃げやすさ」しか見ていません。

 ✔ 気密性能(C値)
 ✔ 日射取得・遮蔽性能
 ✔ 換気計画

これらは含まれていません。断熱性能を語るとき、UA値は最低限の共通言語です。しかし、本当に快適な家をつくるためには、

 ✔ UA値
 ✔ 気密
 ✔ 日射設計
 ✔ 蓄熱・放熱バランス

これらを総合的に考える必要があります。

まとめ

UA値とは、「家全体からどれだけ熱が逃げるか」を示す数値。

 ✔ 小さいほど高性能
 ✔ 家全体の断熱バランスを評価
 ✔ 光熱費・快適性・健康に直結

しかし、UA値はあくまで“入口”。本当に快適な住まいづくりは、その先にあります。

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