現代社会は、膨大なエネルギーによって支えられています。照明、エアコン、給湯、自動車、電車、スマートフォン、インターネット、工場、物流――。私たちの便利な暮らしのほとんどは、「エネルギーを使うこと」で成り立っています。
しかし、そのエネルギーを作る過程で、大量のCO₂(二酸化炭素)が排出されているのです。つまり、「エネルギー消費」と「地球温暖化」は非常に深く関係しています。
電気を使うだけでもCO₂は発生している
普段、私たちはスイッチを押せば簡単に電気を使うことができます。しかし、その電気は発電所で作られています。現在の日本では、火力発電が大きな割合を占めています。火力発電では、
- 石炭
- 石油
- LNG(液化天然ガス)
などの化石燃料を燃やして発電します。この時、大量のCO₂が発生します。つまり私たちは、エアコンや照明を使うたびに、間接的にCO₂を排出しているとも言えるのです。
なぜCO₂が問題なのか
CO₂は「温室効果ガス」の一つです。地球は本来、太陽から受けた熱を宇宙へ放出しています。しかし、大気中にCO₂が増えすぎると、その熱が地球周辺に閉じ込められてしまいます。その結果、
- 地球全体の気温上昇
- 海水温上昇
- 猛暑
- 豪雨
- 台風巨大化
など、さまざまな気候変動が起きるようになります。つまりCO₂は、「地球を暖める原因」となっているのです。
エネルギー消費量は年々増えている
さらに現代社会では、エネルギー消費量そのものも増加しています。例えば、
- 夏の猛暑によるエアコン使用増加
- インターネット・データセンター電力消費
- 電気自動車普及による電力需要増加
- 24時間営業社会
- 大量物流
などによって、社会全体の電力使用量は非常に大きくなっています。また都市部では、
- 高層ビル
- 商業施設
- 巨大広告
- 夜間照明
なども大量のエネルギーを消費しています。便利で快適な社会になるほど、エネルギー使用量も増えていくという側面があるのです。
住宅も大量のエネルギーを消費している
実は、住宅も非常に多くのエネルギーを使っています。特に日本の住宅では、
- 冷暖房
- 給湯
- 照明
- 家電
などが大きなエネルギー消費源になっています。さらに断熱性能が低い住宅では、
- 夏は熱が入りやすい
- 冬は熱が逃げやすい
ため、エアコンを長時間使わなければ快適に暮らせません。つまり、「断熱性能の低い住宅」は、CO₂排出を増やす原因にもなっているのです。

建築分野が果たす役割は大きい
そのため近年では、
- 高断熱・高気密住宅
- ZEH住宅
- 太陽光発電
- 自然エネルギー利用
- 長寿命住宅
など、省エネルギー住宅への注目が高まっています。住宅の性能を高めることで、少ないエネルギーでも快適に暮らせるようになり、CO₂削減につながります。つまり建築分野は、地球温暖化対策において非常に重要な役割を持っているのです。
これからは「エネルギーを減らす設計」が重要になる
これまでの時代は、「たくさんエネルギーを使って快適にする」ことが中心でした。しかしこれからは、「できるだけ少ないエネルギーで快適に暮らす」という考え方が重要になります。そのためには、
- 断熱性能向上
- 日射遮蔽
- 自然風利用
- 高効率設備
- 再生可能エネルギー
などを組み合わせ、「エネルギー消費を抑えながら快適に暮らす家」を目指していく必要があります。そしてそれこそが、これからの建築士に求められる大切な役割になっていくのです。
