固定資産税の話になると、多くの方が疑問に思うのが、「固定資産税評価額はどのように決まるのだろう?」ということです。住宅を建てた方の中には、
- 建築費は3,000万円だったのに評価額は2,000万円だった
- 隣の家と大きさが同じなのに税額が違う
- 床暖房を付けたら税金が高くなった
といった話を聞いたことがあるかもしれません。固定資産税評価額は、建築費や購入価格がそのまま使われるわけではありません。市区町村が定められた評価基準に基づいて建物や土地を評価し、その結果として評価額が決まります。
ここでは、固定資産税評価額がどのように決まるのか、その仕組みを分かりやすく解説します。
固定資産税:評価額とは
■ 固定資産税を計算するための基準となる価格
固定資産税評価額とは、市区町村が土地や建物の価値を評価して決定する価格です。固定資産税は、この評価額をもとに計算されます。例えば、
土地評価額:1,500万円、建物評価額:2,000万円の場合、評価額合計:3,500万円 となります。この評価額に税率を掛けて固定資産税額が決まります。
つまり、固定資産税評価額は、「税金を計算するための基準価格」と考えると分かりやすいでしょう。
建築費と評価額は違う
■ 高い家ほど評価額も高いとは限らない
固定資産税評価額は、実際に支払った建築費とは異なります。例えば、
- 建築費 3,500万円
- 評価額 2,200万円
というケースも珍しくありません。なぜなら固定資産税評価額は、
- 設計料
- 広告費
- 利益
- 市場価格
などではなく、建物そのものの価値を評価するためです。そのため、同じ建築費でも評価額が異なることがあります。
家屋調査とは
■ 完成後に行われる建物調査
新築住宅が完成すると、市区町村から家屋調査の案内が届くことがあります。これは固定資産税評価額を算定するための調査です。調査では、
- 建物の大きさ
- 間取り
- 屋根材
- 外壁材
- 内装仕上げ
- 住宅設備
などを確認します。自治体によっては現地調査を行い、自治体によっては図面や仕様書を中心に確認する場合もあります。
家屋調査で確認される主な内容
■ 建物全体が評価対象になります
家屋調査では次のような内容が確認されます。
建物の構造
- 木造
- 鉄骨造
- RC造
建物の面積
- 延床面積
- 各階面積
屋根
- 瓦
- スレート
- ガルバリウム鋼板
外壁
- タイル
- サイディング
- 塗り壁
内装
- クロス
- タイル
- 木張り
- 石張り
設備
- キッチン
- 浴室
- 洗面台
- 床暖房
- エレベーター
などです。つまり、住宅全体を総合的に評価しているのです。
再建築価格方式とは
■ 「今建てたらいくらか」で評価する方法
建物の固定資産税評価額は、再建築価格方式という方法で算定されます。再建築価格方式とは、「その建物を現在の評価基準で新築したらいくらになるか」を求める方法です。イメージとしては、
住宅
↓
使用材料や設備を評価
↓
再建築価格を算出
↓
評価額を決定
という流れになります。建築費そのものではなく、建物の仕様から価値を評価する方法と考えるとよいでしょう。
構造による評価の違い
■ 木造・鉄骨造・RC造で評価額は変わる
建物の構造は評価額に大きく影響します。一般的には、RC造は耐久性が高く使用材料も多いため評価額が高くなりやすく、木造は比較的評価額を抑えやすい傾向があります。
仕上げ材による評価の違い
■ 高級な材料ほど評価額が高くなる傾向
同じ住宅でも、使用する仕上げ材によって評価額は変わります。例えば、
外壁
- タイル
- サイディング
- 金属外壁
- 塗り壁
床
- 石張り
- タイル
- フローリング
壁
- 石張り
- タイル
- 木張り
- クロス
などです。 一般的には、高級な材料ほど評価額は高くなります。
設備による評価の違い
■ 設備も固定資産税の対象になる
住宅設備も評価対象です。評価に影響する代表例
- 床暖房
- ホームエレベーター
- 大型キッチン
- 浴室暖房乾燥機
- セカンド洗面台
- 全館空調
などです。ただし、
- テレビ
- 冷蔵庫
- 洗濯機
などの家電製品は通常評価対象にはなりません。
土地評価との違い
■ 土地と建物では評価方法が異なる
建物は再建築価格方式で評価されますが、土地は別の方法で評価されます。土地評価では、
- 路線価
- 土地面積
- 接道状況
- 土地形状
- 用途地域
などが考慮されます。そのため、土地と建物は全く別々に評価されます。
評価額はずっと同じではない
■ 建物は年々下がっていく
建物は年月の経過とともに劣化するため、評価額も徐々に下がります。イメージとしては、これを経年減点補正といいます。一方で土地は建物のようには劣化しないため、地価の変動に応じて評価替えが行われます。
まとめ
■ 固定資産税評価額は建物の価値を表す指標
✅ 固定資産税評価額は税金を計算するための基準価格
✅ 建築費と評価額は同じではない
✅ 新築住宅では家屋調査が行われる
✅ 建物は再建築価格方式で評価される
✅ 構造・仕上げ・設備によって評価額は変わる
✅ 土地と建物では評価方法が異なる
✅ 建物は年数の経過とともに評価額が下がる
固定資産税評価額の仕組みを理解すると、なぜ住宅によって税額が異なるのかが分かるようになります。
