固定資産税の仕組みや評価額の決まり方が分かると、次に気になるのは、「我が家の固定資産税評価額はいくらになるのだろう?」ということではないでしょうか。
住宅を建てる際には建築費や住宅ローンばかりに目が向きがちですが、固定資産税は住宅を所有している限り毎年発生します。しかし、固定資産税評価額は住宅展示場や工務店ではあまり説明されることがありません。そのため、
- 完成後に初めて税額を知った
- 思ったより高かった
- なぜ隣の家と税額が違うのか分からない
という方も少なくありません。ここでは一般的な住宅を例に、固定資産税評価額の目安や実際の税額について分かりやすく解説します。
建築費と固定資産税評価額は違う
■ 建築費がそのまま評価額になるわけではありません
まず知っておきたいのは、建築費=固定資産税評価額ではないということです。例えば、建築費3,000万円の住宅を建てたとしても、固定資産税評価額3,000万円になるわけではありません。
固定資産税評価額は、市区町村が固定資産評価基準に基づいて算定した価格です。一般的な木造住宅では、建築費の60~70%程度になるケースが多く見られます。例えば、
| 建築費 | 建物評価額の目安 |
|---|---|
| 2,000万円 | 1,200~1,400万円 |
| 2,500万円 | 1,500~1,750万円 |
| 3,000万円 | 1,800~2,100万円 |
| 4,000万円 | 2,400~2,800万円 |
ただし、設備や仕様によって大きく変わるため、あくまでも目安と考えてください。
木造住宅の実例
■ 一般的な35坪の住宅を想定
例えば次のような住宅を考えてみましょう。
住宅条件は、
- 木造2階建て
- 延床面積35坪(約115㎡)
- サイディング外壁
- ガルバリウム鋼板屋根
- 一般的な住宅設備
として、建築費約3,000万円の場合、建物評価額は約1,900万円~2,100万円程度になることが多くあります。 これに土地評価額が加わって、固定資産税が計算されます。
高級仕様の住宅はどうなる?
■ 設備や仕上げによって評価額は上がります
同じ35坪の住宅でも、
- 総タイル外壁
- 床暖房
- 高級システムキッチン
- 無垢フローリング
- 大型バルコニー
- 全館空調
などを採用すると評価額は高くなります。例えば、建築費3,800万円の場合、建物評価額約2,500万円~3,000万円になることもあります。つまり、固定資産税評価額は床面積だけでなく、住宅のグレードによっても変わるのです。
平屋と二階建てではどちらが高い?
■ 同じ延床面積なら平屋が高くなる傾向がある
近年人気の平屋住宅ですが、固定資産税評価額の面では注意が必要です。例えば、
● 平屋35坪
- 基礎面積が大きい
- 屋根面積が大きい
● 二階建て35坪
- 基礎面積が小さい
- 屋根面積が小さい
となります。そのため、同じ35坪でも平屋 > 二階建てになることが一般的です。評価額の差は住宅によって異なりますが、50万円~150万円程度の差になるケースもあります。ただし平屋には、
- バリアフリー
- 家事動線の良さ
- 老後の住みやすさ
という大きなメリットがあります。固定資産税だけで判断するべきではありません。
土地評価額の考え方
■ 建物とは別に評価されます
土地の評価額は建物とは別に算定されます。建物は再建築価格方式で評価されますが、土地は主に路線価などを基準に評価されます。一般的には、市場価格の約70%程度が固定資産税評価額になることが多いとされています。例えば、
| 土地購入価格 | 土地評価額の目安 |
|---|---|
| 1,500万円 | 約1,000万円 |
| 2,000万円 | 約1,400万円 |
| 3,000万円 | 約2,100万円 |
| 5,000万円 | 約3,500万円 |
ただし地域や立地条件によって大きく異なります。
実際の税額シミュレーション
■ 近郊の一般的な住宅を想定
例えば、
- 土地30坪 購入価格2,000万円 土地評価額約1,400万円
- 建物35坪 木造住宅建築費3,000万円 建物評価額約2,000万円
とします。
■ 固定資産税評価額
土地1,400万円 建物2,000万円 合計3,400万円 となります。
■ 固定資産税
固定資産税率1.4% 34,000,000 × 0.014 = 476,000 年間約47万6千円となります。ただし実際には、
- 住宅用地特例
- 新築住宅軽減措置
などが適用されるため、このままの金額になることはほとんどありません。
実際の固定資産税はいくらになるのか
■ 一般的な住宅の目安
住宅用地特例や新築軽減措置を考慮すると、一般的な木造住宅では、年間10万円~20万円程度になるケースが多く見られます。例えば、
| 住宅規模 | 固定資産税の目安 |
|---|---|
| 小規模住宅 | 8~12万円 |
| 一般的な住宅 | 10~18万円 |
| やや大きな住宅 | 15~25万円 |
| 高級住宅 | 20万円以上 |
都市部では土地評価額が高いため、さらに高額になる場合もあります。
建築士からのアドバイス
■ 固定資産税だけで仕様を決める必要はありません
時々、「固定資産税を安くするために床暖房はやめた方が良いですか?」という相談を受けます。しかし、固定資産税の差額は年間数千円から数万円程度であることが多く、
- 快適性
- 省エネ性能
- メンテナンス性
を犠牲にしてまで節約する必要はありません。大切なのは、固定資産税も住宅の維持費の一部として資金計画に組み込むことです。建築費だけでなく、
- 固定資産税
- 火災保険
- 修繕費
- 光熱費
も含めて考えることで、住み始めてから後悔しない家づくりができます。
まとめ
■ 固定資産税評価額の目安を知っておこう
✅ 建築費と固定資産税評価額は異なる
✅ 木造住宅では建築費の60~70%程度になることが多い
✅ 高級設備や高級仕上げは評価額を押し上げる
✅ 同じ面積なら平屋の方が評価額は高くなる傾向がある
✅ 土地評価額は市場価格の約70%程度が目安
✅ 一般的な住宅の固定資産税は年間10万~20万円程度が多い
✅ 固定資産税も含めた長期的な資金計画が大切
固定資産税評価額は住宅ごとに異なります。しかし、おおよその目安を知っておくことで、将来の維持費を予測しやすくなります。家づくりでは建築費だけでなく、住み始めてからのお金についても考えておきましょう。
