諸費用の種類

住宅の諸費用とは何かを建築士が初心者向けにわかりやすく解説。住宅ローン費用、登記費用、火災保険、印紙税、税金、引越し費用、仮住まい費用などの具体例や目安金額、見落としやすい注意点、「つなぎ融資」の仕組みまで詳しく説明します。 家づくりのお金完全ガイド
工事費以外にも必要になる「見えにくいお金」

 家づくりでは、多くの方が本体工事費や付帯工事費には意識を向けます。しかし、実際にはそれ以外にも様々なお金が必要になります。それが「諸費用」です。諸費用とは、簡単に言えば、建築工事以外に必要となる費用のことです。例えば、

 ・住宅ローン
 ・登記
 ・保険
 ・税金
 ・契約関係

などにかかる費用が含まれます。これらは建物そのものではありませんが、家づくりには必ず必要となるお金です。しかも、諸費用は意外と高額で、建築費総額の10〜15%前後になることも珍しくありません。例えば、総額3,000万円の家なら、300〜450万円程度かかるケースもあります。そのため、「建物の予算だけ考えていた」という状態では、資金計画が大きく狂ってしまうことがあります。

諸費用にはどんなものがあるのか

 諸費用には多くの種類があります。特に代表的なのが次のような費用です。

 ・住宅ローン関係費用
 ・登記費用
 ・火災保険・地震保険
 ・契約印紙代
 ・税金
 ・引越し費用
 ・仮住まい費用

 これらは住宅会社の見積書に含まれていない場合も多いため、別途準備が必要になります。

住宅ローン関係費用

住宅ローンを利用する場合、単純に「借入金」だけでは済みません。実際には、

 ・事務手数料
 ・保証料
 ・団体信用生命保険
 ・融資手数料
 ・つなぎ融資費用

などが必要になります。特に保証料や手数料は高額になる場合があり、数十万円以上かかることもあります。また、注文住宅では、建物完成前にお金が必要になるケースがあります。そのため、

 ・土地購入費
 ・着工金
 ・中間金

などを支払うために、「※つなぎ融資」が必要になることがあります。この費用は見落とされやすいポイントです。

つなぎ融資とは、住宅ローン実行までの間、一時的に借りるお金のことです。住宅完成後、正式な住宅ローンが実行された時点で、そのお金を使ってつなぎ融資を返済する仕組みになっています。

登記費用

住宅を建てたり購入したりすると、法務局で登記を行う必要があります。代表的なものには、

 ・土地所有権移転登記
 ・建物表題登記
 ・所有権保存登記
 ・抵当権設定登記

どあります。特に住宅ローンを利用する場合は、抵当権設定登記が必要になります。また、登記は専門知識が必要なため、多くの場合、司法書士、土地家屋調査士へ依頼します。そのため、登録免許税や専門家報酬などが必要になります。

火災保険・地震保険

 住宅購入時には、火災保険への加入がほぼ必須となります。さらに、日本は地震大国であるため、地震保険も非常に重要です。火災保険では、火災・台風・落雷・水害などに備えます。一方、地震による被害は通常の火災保険では補償されません。

 そのため、地震保険への加入も検討する必要があります。特に最近では、豪雨災害・大型台風・水害が増えているため、補償内容の確認が非常に重要になっています。

印紙税・契約関係費用

家づくりでは、多くの契約書を作成します。例えば、

 ・工事請負契約書
 ・土地売買契約書
 ・住宅ローン契約書

などです。これらには、印紙税が必要になります。契約金額によって税額は変わりますが、複数の契約があるため、合計すると意外と大きな金額になることがあります。

税金関係

住宅を取得すると、

 ・不動産取得税
 ・固定資産税
 ・都市計画税

などが関係してきます。ただし、住宅には軽減措置がある場合も多く、条件を満たせば税負担を減らせるケースがあります。そのため、

 ・長期優良住宅
 ・ZEH
 ・省エネ住宅

などの制度を活用することで、税制優遇を受けられる場合があります。

引越し・仮住まい費用

  建替えの場合には、仮住まい・引越し・荷物保管 などの費用も必要になります。特に建替えでは、「解体」→「仮住まい」→「新築完成」→「再引越し」となるため、引越しが2回必要になるケースもあります。また、工事期間が長引けば、仮住まい費用も増加します。

諸費用は現金が必要なケースも多い

 ここで非常に重要なのが、諸費用は現金払いが必要な場合があるという点です。住宅ローンによっては、諸費用を借入できる場合、できない場合があります。

 また、ローンに組み込めても、自己資金が必要、一時的な立替が必要になることがあります。そのため、建築費とは別に、ある程度の現金を準備しておくことが重要です。

具体的な費用の目安

具体的な費用として、「一般的な30〜35坪程度の木造住宅」の場合

項目主な内容一般的な目安
住宅ローン関係費用 事務手数料・保証料・つなぎ融資など 約60〜120万円 
登記費用保存登記・抵当権設定・司法書士報酬など  約25〜40万円
火災保険・地震保険  火災・地震・水害への備え約20〜50万円
契約印紙代工事請負契約・売買契約・ローン契約など約2〜5万円
税金不動産取得税・固定資産税など約10〜30万円
引越し費用引越し・エアコン移設など約10〜20万円
仮住まい費用建替え時の家賃・荷物保管など約30〜80万円

合計すると、一般的には「200〜400万円程度」になるケースが多いです。状況により、かなりの幅があります。

まとめ

 家づくりで失敗しないためには、「建築費」だけではなく、「諸費用込み」で考えることが非常に重要です。諸費用の総額は、一般的に「建築費総額の10〜15%程度」が目安と言われています。ただし、

 ・土地購入の有無
 ・建替えか新築か
 ・住宅ローン条件
 ・建物規模
 ・地域差

によって大きく変動しますので、必ず事前に詳細確認を行うことが重要です。これらの費用を後から追加すると、「予算オーバー」「家具家電を買う余裕がない」という状況になりやすくなります。

 そのため、資金計画では、「建物価格だけ」「本体価格だけ」で考えるのではなく、「総額」で資金計画を立てることが、重要です。

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