固定資産税が高くなる家・安くなる家とは?

固定資産税が高くなる家と安くなる家の違いとは?外壁材、屋根材、内装仕上げ、床暖房やバルコニーなどの設備、建物形状が評価額に与える影響を解説。家屋調査の注意点や固定資産税で後悔しない家づくりのポイントも紹介します。 家づくりのお金完全ガイド
仕様や設備で変わる評価額の考え方を知っておこう

 家を建てたあとに毎年かかる税金のひとつが、固定資産税です。固定資産税は、土地や建物の「固定資産税評価額」をもとに計算されます。建物については、完成後に市区町村が評価を行い、屋根・外壁・内装・設備などの仕様を確認して評価額を決めます。

 つまり、同じ床面積の家であっても、使っている材料や設備の内容によって、固定資産税が変わることがあります。

 この記事では、固定資産税が高くなりやすい家・安くなりやすい家の考え方を、初めて家を建てる方にも分かりやすく解説します。

固定資産税評価額は何で決まるのか

■ 建物の大きさだけでなく、材料や設備も評価対象になります

 固定資産税評価額は、単純に「建築費がいくらだったか」で決まるものではありません。建物の評価では、主に次のような部分が確認されます。

 ✅ 建物の構造:木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など
 ✅ 建物の面積:延床面積、各階の面積など
 ✅ 屋根・外壁の材料:瓦、金属屋根、スレート、サイディング、タイルなど
 ✅ 内装仕上げ:床、壁、天井の仕上げ材
 ✅ 住宅設備:キッチン、浴室、洗面台、トイレ、床暖房、給湯設備など

 市区町村は、総務大臣が定める固定資産評価基準に基づいて評価します。新築や増築をした家屋については、外部・内部・設備などを調査して評価額を決める自治体が多くあります。

外壁材によって評価額は変わる

■ タイルや石張りなどは評価が高くなりやすい

 外壁は、建物の評価額に影響しやすい部分です。一般的には、外壁の仕上げが高級になるほど、固定資産税評価額も高くなる傾向があります。たとえば、

  • タイル張り
  • 石張り
  • 高級な塗り壁
  • 一般的なサイディング
  • 金属系外壁材

などでは、評価上の扱いが異なります。特にタイル張りの外壁は、耐久性やメンテナンス性に優れる反面、固定資産税評価上は高めに評価されやすい仕上げです。

 ただし、固定資産税が少し高くなるからといって、必ずしもタイルを避けるべきというわけではありません。将来のメンテナンス費用、外観の好み、耐久性なども含めて総合的に判断することが大切です。

屋根材によっても評価額は変わる

■ 瓦・金属屋根・太陽光一体型屋根などで違いがあります

 屋根材も固定資産税評価に関係します。一般的には、

  • 瓦屋根
  • 金属屋根
  • スレート屋根
  • アスファルトシングル
  • 太陽光一体型屋根

など、屋根の種類によって評価が変わります。ここで注意したいのが、太陽光発電設備です。屋根の上に後から載せる一般的な太陽光パネルは、通常、建物本体とは別の設備として扱われます。

 一方で、太陽光パネルそのものが屋根材の役割を持つ「屋根一体型」の場合は、建物の屋根の一部として評価対象になることがあります。太陽光発電を採用する場合は、発電量や見た目だけでなく、建物評価への影響も確認しておくと安心です。

内装仕上げも評価対象になる

■ 本物の石・タイル・木仕上げは評価が高くなりやすい

 内装についても、床・壁・天井の仕上げ材が評価対象になります。たとえば床では、

  • 石張り
  • タイル張り
  • 無垢フローリング
  • 一般的なフローリング
  • モルタル仕上げ

などにより評価が変わります。壁についても、

  • 石張り
  • タイル張り
  • 塗り壁
  • 木張り
  • クロス

では評価が異なります。一般的には、クロス仕上げは標準的な評価になりやすく、石張りやタイル張り、木張りなどは評価が高くなりやすい傾向があります。

石目調・木目調の仕上げは説明が大切

■ 見た目と実際の材料が違う場合があります

 最近は、石目調の床材や木目調のクロス、タイル調のアクセントクロスなど、本物に近い見た目の建材が多く使われています。しかし、固定資産税評価では「見た目」ではなく、実際に使われている材料が重要です。例えば、

  • 本物の石張りなのか
  • 石目調のフローリングなのか
  • 本物の木張りなのか
  • 木目調クロスなのか

によって、評価は変わります。家屋調査の際には、誤解を防ぐために、仕上表・仕様書・カタログなどを用意しておくと安心です。

 特にアクセント部分に石目調や木目調の建材を使っている場合は、「これは本物の石ではなく、クロスです」「これは木張りではなく、木目調の仕上げ材です」と説明できるようにしておくとよいでしょう。

天井の仕上げや高さにも注意

■ 開放感のある空間は評価に影響することがあります

 天井も評価対象になります。一般的なクロス仕上げよりも、板張り天井や塗り仕上げの天井は、評価が高くなることがあります。 また、天井の高さも評価に影響する場合があります。

 たとえば、一般的な天井高よりも高いリビング、吹抜け、大きな勾配天井などは、開放感があり魅力的な空間になります。一方で、評価上は標準的な部屋より高く見られることがあります。

 ただし、天井を高くすることには、快適性やデザイン性という大きなメリットもあります。固定資産税だけで判断するのではなく、暮らしの満足度と合わせて考えることが大切です。

家の形でも評価は変わる

■ 凹凸の多い家は外壁や基礎が増えやすい

 同じ延床面積の家でも、建物の形によって評価額が変わることがあります。一般的に、真四角に近い家は、外壁や基礎の長さが少なく、構造もシンプルになります。一方で、

  • L字型の家
  • コの字型の家
  • 中庭のある家
  • 凹凸の多い外観
  • 細長い形の家

などは、同じ床面積でも外壁や基礎の量が増えやすくなります。外壁や基礎が増えるということは、建築費が上がるだけでなく、固定資産税評価にも影響する可能性があります。

 デザイン性の高い家をつくることは素晴らしいことですが、複雑な形状にすると、建築費・メンテナンス費・固定資産税のすべてに影響することを知っておきましょう。

住宅設備で固定資産税が上がることもある

■ 便利な設備ほど評価対象になる場合があります

住宅設備も固定資産税評価の対象になります。評価に影響しやすい設備としては、

  • 大型のシステムキッチン
  • アイランドキッチン
  • 大きなユニットバス
  • 浴室暖房乾燥機
  • 幅の広い洗面台
  • 2階洗面台
  • 玄関手洗い
  • 床暖房
  • 全館空調
  • ホームエレベーター
  • 大きなバルコニー

などがあります。たとえば、床暖房を広い範囲に設置した場合や、ホームエレベーターを設けた場合は、評価額が上がる要因になります。一方で、食洗機のように、固定資産税評価に大きく影響しにくい設備もあります。

 設備を選ぶ際には、「固定資産税が上がるからやめる」という考え方ではなく、「毎年の維持費も含めて納得して選ぶ」ことが大切です。

家屋調査のときに準備しておきたいもの

■ 正しく評価してもらうための資料を用意する

 新築後には、市区町村による家屋調査が行われることがあります。調査では、屋根・外壁・内装・建具・設備などを確認します。自治体によっては、現地調査ではなく、図面や仕様書などの資料をもとに評価する場合もあります。家屋調査のときには、次のような資料を準備しておくとよいでしょう。

 ✅ 平面図:部屋の配置や面積を確認するため
 ✅ 立面図・矩計図:屋根形状、外壁、建物の高さなどを確認するため
 ✅ 仕上表:床・壁・天井の仕上げを確認するため
 ✅ 設備仕様書:キッチン、浴室、洗面、給湯器などを確認するため
 ✅ 建材カタログや品番資料:本物の石・木なのか、石目調・木目調の仕上げなのかを確認するため

 特に、見た目と実際の材料が違う仕上げを使っている場合は、誤解を防ぐために資料を見せながら説明することが大切です。

調査を避ければ安くなる、という考え方は危険

■ 正しく評価してもらうことが大切です

 固定資産税を安くしたいからといって、家屋調査を避けたり、資料提出に協力しなかったりすることはおすすめできません。

 地方税法では、固定資産税の評価に必要な調査について、質問検査権が定められています。また、近年は施工業者などから図面等の提出を求めることができることも明確化されています。つまり、「見せなければ分からない」という考え方は通用しにくくなっています。

 大切なのは、税金を不当に安くすることではありません。正しい資料を用意し、実際の仕様に基づいて適正に評価してもらうことです。

固定資産税を気にしすぎて家づくりを小さくしない

■ 税額よりも、暮らしの満足度とのバランスが大切

 固定資産税のことを知ると、「高い設備はやめた方がよいのでは」と不安になる方もいます。しかし、固定資産税を少し下げるために、本当に必要な設備や快適性をあきらめてしまうのは本末転倒です。たとえば、

  • 高断熱サッシ
  • 床暖房
  • 使いやすいキッチン
  • 掃除しやすい浴室
  • メンテナンス性の高い外壁

などは、毎日の暮らしを快適にし、長期的には光熱費やメンテナンス費の削減につながることもあります。固定資産税だけを見て判断するのではなく、

  • 初期費用
  • 固定資産税
  • 光熱費
  • メンテナンス費
  • 暮らしやすさ
  • 将来の安心

を総合的に考えることが大切です。

まとめ

■ 固定資産税は「知って選ぶ」ことが大切です

 固定資産税は、家を所有している限り毎年かかる税金です。建物の評価額は、面積だけでなく、屋根・外壁・内装・設備・建物形状などによって変わります。

 高級な材料や便利な設備を採用すれば、評価額が高くなることがあります。しかし、それらには快適性や耐久性、メンテナンス性といったメリットもあります。

 大切なのは、固定資産税をむやみに怖がることではありません。どのような仕様が評価に影響するのかを知ったうえで、自分たちの暮らしに本当に必要なものを選ぶことです。

 家づくりでは、建築費だけでなく、固定資産税や維持管理費も含めた長期的な資金計画を立てておきましょう。そうすることで、住み始めてから「こんなに税金がかかるとは思わなかった」と後悔することを防ぐことができます。 」

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