新築に比べて価格を抑えやすく、立地の選択肢も広がる――そんな魅力から、中古住宅を検討する方は年々増えています。しかし一方で、中古住宅の購入は「見えないリスク」を伴う選択でもあります。築年数による劣化、耐震性や断熱性能の不足、違法建築や増改築の履歴、そして購入後に発覚する不具合や高額な修繕費……。正しい知識がないまま購入してしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースが後を絶ちません。
特に中古住宅は、建物の状態・書類の有無・法的な位置づけ・将来のリフォーム可否など、新築以上にチェックすべきポイントが多く、一般の方がすべてを見抜くのは決して簡単ではありません。
このカテゴリーでは、
・中古住宅購入の基本的な考え方
・購入前に必ず確認すべき建物・敷地のポイント
・築年数別に注意すべき劣化やリスク
・書類・図面・法規面のチェック方法
・インスペクション(住宅診断)の活用
・購入後に後悔しないための判断基準
などを、建築士の視点から、できるだけ専門用語をかみ砕きながら解説しています。
「この中古住宅、本当に大丈夫?」
「価格は魅力的だけど、あとでお金がかからない?」
「リフォーム前提で買っても問題ない?」
「専門家に何をどこまで見てもらえばいい?」
そんな疑問や不安を一つひとつ整理し、納得して判断できる力を身につけてもらうことが、この特集の目的です。
中古住宅は、正しく選べば、新築以上に“満足度の高い住まいになる可能性も秘めています。大切な住まい選びで後悔しないために、ぜひ本特集をお役立てください。
目次
第1章 中古住宅購入とは?まず知っておきたい基礎知識
1.1 中古住宅購入のメリット・デメリット
1.2 新築との違いと考え方のポイント
1.3 「安い物件」に潜むリスク
第2章 購入前に必ず確認すべき建物の基本チェック
2.1 築年数で変わる注意点
2.2 劣化・不具合が起きやすい場所
2.3 目視でできるセルフチェック
2.4 専門家が見るチェックポイント
第3章 耐震性・構造は大丈夫?
3.1 旧耐震・新耐震の違い
3.2 耐震性に問題がある住宅の特徴
3.3 耐震改修が必要になるケース
第4章 書類・図面・法的なチェックの重要性
4.1 建築確認・検査済証の有無
4.2 図面と現況が違う家のリスク
4.3 違法建築・再建築不可の注意点
第5章 インスペクション(住宅診断)をどう活用する?
5.1 インスペクションとは何か
5.2 調査でわかること・わからないこと
5.3 誰に依頼すべきか
第6章 購入後にかかる費用とリフォームの考え方
6.1 修繕・改修費用の目安
6.2 想定外の出費が発生するケース
6.3 リフォーム前提購入の注意点
第7章 失敗・後悔しやすい中古住宅の特徴
7.1 「買ってはいけない中古住宅」とは
7.2 契約前に必ず立ち止まるべきサイン
7.3 判断に迷ったときの考え方
第8章 中古住宅購入で専門家ができるサポート
8.1 建築士による第三者チェック
8.2 不動産会社任せにしない判断
8.3 建築事務所でできる具体的な支援
