簡易チェックリスト(外壁・床・天井・基礎まわり)

建物のひび割れ対策特集
専門知識がなくても、自分でできる初期点検

 ひび割れや劣化の兆候を早期に発見するためには、定期的なチェックが欠かせません。専門家による点検が理想ですが、日頃から自分の目で簡単に確認できるポイントを知っておくだけでも、被害の拡大を防ぐ大きな助けになります。この章では、建物の主要部位ごとに、ご自身でも確認できる「簡易チェックリスト」をご紹介します。

 チェックの際は、晴れた日中の明るい時間帯に行い、スマホで気になる箇所の写真を残しておくと、後日比較しやすくなります。

外壁のチェックポイント

チェック項目確認のしかた要注意サイン
クラック(ひび割れ)壁面に走る細いスジを目視幅0.3mm以上の割れ/斜めや縦方向の割れ/同じ場所に繰り返し発生
チョーキング指でこすって白い粉がつくか表面塗膜の劣化の兆候
カビ・コケ北面や湿気の多い場所表面防水機能の低下
剥がれ・ふくらみ壁面の一部が浮いている仕上げ材の浮きや水の侵入

床・天井(室内)のチェックポイント

チェック項目確認のしかた要注意サイン
床の傾きボールを転がす/立って違和感を感じる偏った転がり/フワフワ感
床鳴り歩いたときにキュッ・ギシッと音が鳴るか接合部の緩み/経年劣化のサイン
天井のシミ色が違う部分がないか目視雨漏りや水漏れの可能性
クロスの浮き・はがれ天井や壁のクロスに隙間がないか湿気や下地の変形の可能性

基礎まわりのチェックポイント

チェック項目確認のしかた要注意サイン
基礎のひび割れコンクリートにスジや割れ目があるか幅0.3mm以上/貫通・斜めの割れ
白華現象(エフロ)表面に白い粉や結晶が浮き出ていないかコンクリート内部の水分移動の兆候
地面の沈み基礎周辺の地盤に段差やすき間不同沈下の兆候として要注意
湿気・カビ臭基礎周辺に湿気がこもっていないか換気不足・漏水のサイン

チェック時のコツ

  • 写真で記録:同じ場所を定期的に撮影すると変化に気づきやすくなります。
  • 季節ごと点検:梅雨前や台風後、寒暖差の大きい季節の変わり目に点検するのが効果的です。
  • 家族と協力:複数人で見ると、より多くの異変に気づけます。

まとめ:異常を見逃さず、早めに専門家へ相談を

 点検で異常を見つけたら、すぐに補修する必要があるとは限りませんが、「原因不明な異変」は要注意です。「これは何かおかしいな?」と思ったら、建築士やホームインスペクターなど専門家の診断を仰ぐことが重要です。日頃からの簡易チェックと記録が、建物を長く健康に保つ第一歩となります。

タイトルとURLをコピーしました