配筋検査とは

基礎の種類が決まって工事が始まると、まず重要になるのが「配筋(はいきん)状況」の確認です。配筋とは、基礎のコンクリート内部に配置される鉄筋のことです。鉄筋は基礎の強度を支える重要な要素であり、配筋検査を通じて適切に配置されているかどうかを確認することが、建物の安全性を左右します
配筋検査で守る家の安心

 基礎の種類が決まって工事が始まると、まず重要になるのが「配筋(はいきん)状況」の確認です。配筋とは、基礎のコンクリート内部に配置される鉄筋のことです。

 鉄筋は基礎の強度を支える重要な要素であり、配筋検査を通じて適切に配置されているかどうかを確認することが、建物の安全性を左右します。

配筋検査の目的

木造基礎のベース全景
木造基礎のベース全景。まずは、全体を見まわし図面通りか確認する

 配筋検査は、鉄筋が設計通りに配置され、十分な強度を確保できるようになっているかを確認するために行われます。検査は、基礎工事の中でも重要な工程であり、配筋が適切でなければ基礎全体の強度に影響を及ぼします。

 鉄筋が正しく配置されることで、コンクリートが固まった後も十分な強度と耐久性を持つ基礎が完成します。

配筋検査のチェックポイント

 配筋検査では、どのようなことをチェックするのか、その具体的なチェックポイントを以下に紹介します。これらのポイントを押さえておくことで、基礎工事の品質を確保できます。

1. 鉄筋の太さと間隔:

    • 鉄筋の太さ(径)が設計図通りであることを確認しましょう。鉄筋の太さは基礎の強度に大きく影響します。通常、木造基礎のベース筋は10mmもしくは13mmが多い。それぞれの位置に合った太さが図面通りに使われているかを確認します。
    • 鉄筋同士の間隔が設計通りであるか確認します。間隔が狭すぎるとコンクリートがきちんと流れ込まず、広すぎると強度不足になることがあります。掘り込み車庫を鉄筋コンクリート造にすることが多いですが、地中梁であると鉄筋の間隔は30mm〜50mm程度が一般的です。これ以上狭いと十分にコンクリートが廻らず、強度が低下することがあります。木造ベースの場合は、150mm~300mm間隔が多い。
      ベースの鉄筋の太さを確認する。
      木造基礎;ベースの鉄筋の太さを確認する。ベース筋は10mmもしくは13mmが多い。
      掘込車庫:地中梁の鉄筋同士の間隔を確認する
      掘込車庫:地中梁の鉄筋同士の間隔を確認。地中梁の場合、30mm〜50mmが一般的。
      木造基礎:ベース筋の間隔を確認
      木造基礎:ベース筋の間隔を確認。150mm~300mm間隔が多い。

      2. 鉄筋の配置位置:

      • 鉄筋が設計図通りの位置に正確に配置されているかを確認します。基礎の形状や設計に応じた正確な配置が求められます。測定具や定規を用いて、設計図と照らし合わせながらチェックしましょう。
      • 特に基礎の角や重要な接続部分では、大きな力がかかるため、しっかり確認する。設計図通りに鉄筋が配置されていることが重要です。

      3. 鉄筋の重なり(継手):

      • 鉄筋同士の重なり部分(継手)が設計通りになっているか確認します。重なりが不足していると、強度が不足する可能性があります。
      • 鉄筋の継手部分は、地震などの際に重要な役割を果たすため、十分な長さが必要です。通常、鉄筋の重なりは鉄筋の直径の40倍程度(40dと図面では表現する。dは鉄筋の直径のこと)が必要とされます。実際の長さは400mmから600mmが一般的です。
        立上り部分の鉄筋の間隔位置を確認する。
        立上り部分の鉄筋の間隔位置を確認する。
        基礎コーナー部分の鉄筋の配置確認。コーナー部分には大きな力がかかるので、特に重要である。
        基礎コーナー部分の鉄筋の配置確認。コーナー部分には大きな力がかかるので、特に重要
        継手長さ:赤丸で囲った部分が継手。その重なりの長さが重要である。

        4. 鉄筋のかぶり厚さ:

        • かぶり厚さとは、鉄筋を覆うコンクリートの厚みのことです。設計図で指定されている厚さが確保されているか確認します。通常、外側のかぶりは30mm〜50mm程度が一般的です。土と接する部分は、60mm以上のかぶりが必要です。
        • かぶり厚さが不足していると、鉄筋が腐食しやすくなり、基礎の耐久性が低下する恐れがあります。鉄筋が腐食するとコンクリートが割れて剥落します。

        5. 鉄筋の固定状況:

        • 鉄筋がしっかり固定され、動かないようにしているかを確認します。鉄筋が動くと、設計通りの位置を保てなくなり、基礎全体の強度に影響します。
        • 結束線を使用して鉄筋をしっかりと固定し、動かないようにしていることが重要です。
          立上り筋に十分に被りがとれているかを確認
          立上り筋に十分に被りがとれているかを確認
          ベース筋に十分は被りがとれているか確認
          ベース筋に十分は被りがとれているか確認
          結束線で十分に鉄筋が固定されているか確認
          結束線で十分に鉄筋が固定されているか確認

          6. 開口部や設備スリーブ補強状況の確認:

          • 基礎内に開口部や設備配管用のスリーブがある場合、その廻りに補強状況が図面通りかチェックします。
          • 配管や配線が通る部分に鉄筋が干渉しないよう、設計図を確認しながらチェックします。
          開口部廻りの補強状況を確認
          開口部廻りの補強状況を確認
          排水管スリーブ廻りの補強状況を確認
          排水管スリーブ廻りの補強状況を確認
          排水管スリーブ廻りの補強状況を確認
          排水管スリーブ廻りの補強状況を確認

          7. 清掃と異物の確認:

          • 鉄筋の周りにゴミや異物がないかを確認します。異物があると、コンクリートの密着が不十分になり、基礎の強度が落ちる可能性があります。
          • 清掃が行き届いているか確認し、異物を取り除きましょう。

          8. 鉄筋の品質:

          • 鋼材証明書の確認: 使用される鉄筋が適切な品質であることを確認するため、鋼材証明書を確認します。鋼材証明書には、鉄筋の強度や化学成分などが記載されており、基準を満たしていることを確認できます。
          • 錆びの状態: 鉄筋に大きな錆びがないかを確認します。少しくらいの表面の錆びは、コンクリートに影響を与えない場合が多いですが、大きな錆びや腐食がある場合は取り除く必要があります。

          8. 防錆処理の確認:

          • 鉄筋には防錆処理が施されていることが一般的です。鉄筋が少々錆びていても問題はありませんが、腐食していると基礎の耐久性に影響を及ぼします。
          • 新品の鉄筋を使用している場合でも、野ざらしでは、錆びが著しくなりますので、事前に保管状況の確認を行いましょう。

          問題が発見された場合の対処方法

          配筋検査で問題が発見された場合、以下の手順に従って適切に対処しましょう。

          1. 問題の特定と記録:
            • 発見された問題を明確に特定し、写真やメモで記録します。具体的な場所や内容を詳細に記録しておくと、修正作業の際に役立ちます。
          2. 設計者や施工管理者への報告:
            • 問題が発見された場合は、直ちに設計者や施工管理者に報告します。彼らの専門的な判断を仰ぎ、どのように対応すべきかを確認します。
          3. 修正作業の計画:
            • 設計者や施工管理者と協力して、修正作業の計画を立てます。どの部分をどのように修正するか、作業手順を明確にしておきます。
          4. 再検査の実施:
            • 修正作業が完了したら、再度配筋検査を実施します。問題が完全に解消され、基準を満たしていることを確認します。
          5. 記録の保管:
            • 問題の内容、修正作業の内容、再検査結果を含め、全ての記録を保管しておきます。これにより、後々のトラブルや確認作業に対応しやすくなります。
          問題が発生した場合は、コンクリート打設前にどうするのか、協議して修正する。
          問題が発生した場合は、コンクリート打設前にどうするのか、協議して修正する。

          配筋検査は専門家に依頼する

           配筋検査は、これ以外にも、様々な決まりがあります。非常に専門性が高く、素人が行うには難しい部分があります。また、配筋検査の日に自分の仕事があるなどで日程がとれず、チェックできないということもあります。そのため、第三者の専門家に依頼することが適切です。専門家は、以下の方法で検査を行います。

          • 正式な書面による報告書:
            • 専門家による配筋検査の結果は、正式な報告書として提供されます。この報告書には、検査内容、発見された問題、修正方法などが詳細に記載されています。この記録を残しておくことにより、後日、何か問題が生じた場合の問題解決になり、建物の資産価値もあがります。
          • 施主の役割:
            • 施主は専門家からの報告を聞くか、検査に同行して直接説明を受けることで、施工内容を確認します。これにより、施主自身も基礎工事の品質をしっかり把握できます。
          • 専門家との連携:
            • 専門家と施主が連携し、適切な情報共有を行うことで、工事の透明性と信頼性を高めることができます。

          ※その専門家(インスペクター)に関しては、以下の記事を参考にして下さい。

          検査の進め方

          • 設計図を手元に:
            • 検査の際には必ず設計図と仕様書を手元に置き、各ポイントを確認していきます。設計図・仕様書が検査の基準となります。
          • 写真撮影:
            • 配筋検査の際には、確認した箇所を写真に撮っておくと、後から振り返る際に役立ちます。施工の進捗や問題点を記録するために、写真は有効な手段です。
          • 専門家に相談:
            • 不明点や疑問がある場合は、設計監理者や工事監督者に相談し、疑問を解決してから次の工程に進むようにしましょう。専門家の意見を聞くことで、より正確な検査が行えます。

          まとめ

           配筋検査は基礎工事の中でも特に重要なステップです。正確な配筋がされていることで、建物全体の安全性が確保されます。上記のチェックポイントをしっかり確認し、安全で安心な住まいづくりを進めましょう。

           配筋検査は専門家に依頼し、施主自身も説明を受けながらチェックすることが重要です。プロの意見を参考にしながら、計画的に工事を進めることが成功への鍵です。問題が発見された場合には、迅速かつ適切に対処し、全ての工程を確実に進めることが大切です。

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