工事中・工事後のチェックポイント

耐震改修工事は、設計内容がどれだけ優れていても、工事が正しく行われなければ意味がありません。また、完成後は壁の中が見えなくなるため、工事中と工事直後の確認が非常に重要になります。 耐震特集
「任せきり」にしないことが、失敗を防ぐ最大の対策

 耐震改修工事は、設計内容がどれだけ優れていても、工事が正しく行われなければ意味がありません。また、完成後は壁の中が見えなくなるため、工事中と工事直後の確認が非常に重要になります。

 ここでは、施主の立場でも確認できる「最低限おさえておきたいチェックポイント」を、
工事中工事後に分けて解説します。

工事中に確認したいチェックポイント

耐力壁の位置・内容が図面通りかーーまずは「場所」が合っているか

 耐震改修で最も重要なのは、耐力壁が設計図通りの位置に設置されているかです。工事中であれば、壁の内部が見えるため、確認が可能です。

チェックポイントは以下の通りです。

  • 図面で指定された位置に耐力壁が入っているか
  • 筋かいの向き・本数が図面と一致しているか
  • 構造用合板の厚さ・張り方が正しいか

※「何となくそれらしい場所」ではなく、図面と見比べることが大切です。

金物の種類・位置・施工状態ーー付いているかではなく「正しく付いているか」

 接合部の金物補強は、施工精度が耐震性能に直結します。特に注意したいのは、

  • 指定された金物が使われているか
  • ビスやボルトの本数が足りているか
  • 金物が傾いたり浮いたりしていないか

といった点です。金物は後から見えなくなるため、工事中の確認が不可欠です。

基礎との取り合い・アンカーボルトーー壁と基礎がきちんとつながっているか

耐力壁があっても、基礎と確実につながっていなければ効果は半減します。

  • アンカーボルトの位置・本数
  • 土台と基礎の密着状態
  • 後施工アンカーの場合の施工状況

これらは、写真を撮って記録しておくことを強くおすすめします。

劣化部分が是正されているかーー「補強前に直す」が守られているか

 シロアリ被害や腐朽があった場合、

  • 腐った部材が交換されているか
  • 補修だけで済ませていないか
  • 防蟻処理などが行われているか

を確認します。劣化を放置したまま補強していないかが重要なチェックポイントです。

工事後に確認したいチェックポイント

仕上がりと生活への影響ーー耐震性と暮らしやすさの両立

 工事完了後は、次の点を確認しましょう。

  • 壁や天井に不自然な歪みがないか
  • 建具(ドア・引き戸)の開閉に支障がないか
  • 床鳴りや違和感が出ていないか

 耐震補強によって、日常生活に支障が出ていないかも大切な確認項目です。

工事内容の説明を受けるーー「何をしたか」を理解しておく

工事完了時には、

  • どこに耐力壁を入れたか
  • どの金物を使ったか
  • 将来メンテナンスが必要な部分

について、口頭だけでなく図面や写真で説明を受けるようにしましょう。

記録を残しておくーー将来の安心につながる大切な資料

 以下の資料は、必ず保管しておくことをおすすめします。

  • 改修後の図面
  • 工事中の写真
  • 使用した金物・材料の資料

 これらは、将来のリフォームや売却時にも役立ちます。

まとめーー チェックは「専門家任せ」にしすぎない

 耐震改修工事を成功させるためには、 設計・施工・チェックのすべてがそろって初めて意味を持ちます

  • 工事中にしか確認できないポイントがある
  • 工事後は記録を残すことが重要
  • 分からない点は遠慮せず質問する

 すべてを自分で判断する必要はありませんが、「任せきりにしない姿勢」が、失敗を防ぎ、納得できる耐震改修につながります。そのために第三者の建築士に見てもらうのが有効です。

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