白蟻の被害は、気づいたときにはすでに内部がスカスカ…というケースが少なくありません。けれども実は、その前に“異常サイン”が出ていることが多く、一般の方でも日常の中で気づける兆候がいくつもあります。この章では、「特別な道具や知識がなくてもわかる白蟻被害の前兆」を7つご紹介します。
羽アリが家の周りに飛んでくる
- 春〜初夏にかけて、窓辺や明かりに黒っぽい羽アリが大量に集まる
- 実はこれ、白蟻の繁殖行動(群飛)かもしれません
- 特に日没後、湿度が高い日に室内で発見された場合は要注意
⚠ 黒アリとの違い:触角が数珠状・胴体が寸胴・羽が前後同じ長さ → 白蟻の可能性大
床がふわふわ沈むようになった
- リビングや廊下で歩いたときに、一部だけフワフワ沈む感覚がある
- 下地の根太や合板が、白蟻によって内部から食い荒らされている場合がある
- 早期発見であれば部分修理で済むことも
⚠ 長期間放置すると、床全体の張り替えや構造補強が必要に
引き戸やドアの立て付けが急に悪くなった
- 「急にドアが閉まりにくい」「襖が途中で止まる」など、建具のゆがみが発生
- 建物が傾いてきた、または柱や土台の強度が失われてきたサインの可能性も
- 湿気や経年劣化では説明がつかない“急なゆがみ”は、特に要注意
壁や柱に直径1~2mmの小さな穴がある
- 柱や鴨居、腰壁などの木部に丸い穴や木粉(フン)が見られる
- アメリカカンザイシロアリの可能性があり、地面と接していない上階でも被害にあう
- 穴が小さいため、よく観察しないと見逃しやすい
室内の壁の裏から空洞音がする
- 壁や柱をノックしたときに、ポコポコと中が空いているような音が返ってくる
- 内部が白蟻によって空洞化している可能性あり
- 普段と違う「音」や「感触」も貴重なヒントに
基礎や束石に「蟻道」ができている
- 土台の近くやコンクリート基礎に沿って、茶色くて土でできた線状の“蟻道”が見える
- 白蟻は乾燥と光を嫌うため、蟻道(トンネル)を作って移動する
- 専門家に頼まなくても、床下点検口から懐中電灯で照らして確認するだけでも発見できる
床下や室内がなんとなくカビ臭い
- 「なんだかカビ臭い」「湿っぽいにおいがする」
- 実は白蟻の被害が進行すると、木材の腐朽や排泄物などから独特のにおいが出る
- 換気をしても取れない臭いは、床下のチェックをおすすめ
まとめ:小さな異変にこそ、注意すべき
白蟻被害は、日常生活の中で「あれ?おかしいな」と思った瞬間が、最大のチャンスです。その直感を放置せず、早期に点検・調査することが、深刻な被害を防ぐ唯一の方法です。
家は、必ず「異常のサイン」を出しています。
見逃さないことが、“家を守る力”になります。
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