日本の住宅は、この50年で大きく変わりました。見た目は似ていても、中身(性能)はまったく違うと言っても過言ではありません。ここでは、「昭和住宅」と「令和住宅」を断熱性能の視点から比較していきます。
昭和住宅の断熱事情
昭和期(特に1980年以前)の住宅の多くは、
- 断熱材が入っていない
- 入っていても非常に薄い
- 気密という概念がほとんどない
という状況でした。
当時は、
✔ エネルギー価格が安かった
✔ 冷暖房設備が現在ほど普及していなかった
✔ 「夏は風を通す」考え方が主流だった
という背景があります。そのため、冬は寒く、夏は暑い家が当たり前でした。
実際、築古住宅の調査では、
- 天井裏に断熱材が入っていない
- 壁内が空洞のまま
- 床下から冷気が上がる
という事例が今も多く見られます。
断熱基準の変遷
住宅の断熱性能は、法改正とともに強化されてきました。
- 1980年:旧省エネ基準
- 1992年:新省エネ基準
- 1999年:次世代省エネ基準
- 2022年以降:断熱等級の引き上げ
つまり、昭和住宅は、現在の基準とはまったく違う前提で建てられているのです。
令和住宅の断熱性能
令和の住宅では、
✔ UA値で性能を数値化
✔ 高性能断熱材の使用
✔ 樹脂サッシやLow-Eガラスの普及
✔ 気密施工の重要性
が標準的になりつつあります。断熱は「感覚」ではなく「数値」で管理される時代です。
その結果、
- 室温の安定
- 冷暖房効率の向上
- 結露リスクの低減
- 健康被害の軽減
といった効果が得られます。
数字で見る違い(イメージ)
昭和住宅(無断熱〜旧基準)
→ UA値 1.5〜2.5程度(地域差あり)
令和住宅(現行基準〜高性能)
→ UA値 0.46〜0.87程度(地域区分による)
※数値は概算イメージです。
つまり、熱の逃げやすさが大きく違うのです。
体感の違い
昭和住宅では、
- 廊下が寒い
- トイレが冷える
- 窓が結露する
- 足元が冷たい
といった現象が起こりやすい。
令和住宅では、
- 室内温度差が小さい
- 結露が起きにくい
- エアコンが効きやすい
- 光熱費が抑えられる
といった改善が見られます。
しかし「新しい=完璧」ではない
ここで重要なのは、
新築でも施工が悪ければ性能は発揮されないという点です。
断熱材が入っていても、
- 隙間がある
- 防湿層が不十分
- 気密処理が甘い
といった問題があれば、本来の性能は出ません。
まとめ
昭和住宅と令和住宅の違いは、
✔ 断熱材の有無
✔ 厚み
✔ 気密施工
✔ 窓性能
✔ 数値管理
すべてにおいて大きな差があります。気候が変わった今、昭和基準のままでは快適性も安全性も十分とは言えません。
だからこそ、
- 築古住宅は断熱改修を検討する
- 新築では断熱性能を数値で確認する
ことが重要になります。
