断熱材の種類を説明する前に、まず理解しておきたいことがあります。それは、
断熱材の性能は「材料名」ではなく「数値」で決まる
ということです。
熱伝導率(λ値)とは
断熱材の性能を表す基本の数値は、熱伝導率(λ値)がります。熱伝導率とは、
「どれだけ熱を伝えやすいか」を示す数値
です。単位は:W/m・K
✔ 数値が小さいほど高性能
✔ 数値が大きいほど熱が伝わりやすい
例えば:
| 材料 | 熱伝導率(λ値) |
|---|---|
| 発泡ウレタン | 約0.024 |
| グラスウール | 約0.038 |
| 空気(静止) | 約0.026 |
| 木材(乾燥) | 約0.12 |
| 石こうボード | 約0.22 |
| 水 | 約0.60 |
| レンガ | 約0.70 |
| 大理石 | 約2.0〜3.0 |
| 花崗岩(御影石) | 約3.0 |
| ガラス | 約1.0 |
| コンクリート | 約1.6 |
| 鉄 | 約80 |
| アルミニウム | 約200 |
| 銅 | 約400 |
この表を見ると、アルミや銅などの金属がどれだけ熱を通しやすいかが分かります。鉄は断熱材の約3000倍、アルミは約8000倍も熱を通します。だからこそ、アルミサッシは寒いのです。
熱伝導率と厚みの関係
材料の断熱性能は、
λ値 × 厚み
で決まります。正確には、
熱抵抗値(R値)= 厚み ÷ λ値
という式になります。つまり、
✔ λ値が小さい
✔ 厚みが厚い
この両方がそろって初めて高断熱になります。
熱抵抗値(R値)とは何か
熱抵抗値(R値)とは「どれだけ熱を通しにくいか」を表す数字 のことです。R値とは、
「どれだけ熱を通しにくいか」を表す数値
です。つまり、
- λ値 = 熱の通しやすさ
- R値 = 熱の通しにくさ
ちょうど逆の関係になります。
具体例で考えてみる
例えば、
グラスウール(λ=0.038)を100mm(0.1m)入れた場合:
[0.1 ÷ 0.038 ≒ 2.63]
R値は 約2.6 になります。
もし同じ材料を200mm入れたら?
[0.2 ÷ 0.038 ≒ 5.26] → R値は 約5.3
つまり、
厚みを2倍にすれば、R値も2倍になる
のです。つまり、
✔ λ値が小さいほどR値は大きくなる
✔ 厚みが増えるほどR値は大きくなる
✔ R値が大きいほど断熱性能が高い
R値は「コートの厚み」のようなものです。薄いウールのセーターよりも、厚いダウンコートの方が暖かいですよね。それは、
✔ 中に空気がたくさんある
✔ 厚みがある
からです。住宅の断熱も同じです。
R値とUA値の関係
- R値 → 部位ごとの断熱性能
- UA値 → 家全体の断熱性能
という関係になります。壁・屋根・床それぞれのR値を計算し、最終的にまとめたものがUA値に影響します。
同じ断熱材でも性能が違う理由
例えば同じグラスウールでも、
- 50mm
- 100mm
- 200mm
では性能は全く違います。だから、重要なのは、
✔ 何mm入っているか
✔ 施工が適切か
✔ 隙間がないか
です。
断熱材の“実際の性能”を左右するもの
断熱材のカタログ性能と、実際の住宅性能は必ずしも一致しません。なぜなら、
✔ 施工精度
✔ 充填不足
✔ 隙間
✔ 湿気
✔ 経年劣化
これらが影響するからです。
断熱材選びで誤解しやすいこと
❌ 「発泡系だから必ず高性能」
❌ 「繊維系だから性能が低い」
これは間違いです。そして、重要なことは、
「その住宅にどう施工されるか」
なのです。
まとめ
断熱材の性能は、
✔ 熱伝導率(λ値)
✔ 厚み
✔ 施工精度
この3つで決まります。どのような家にしたいのかをまず考え(だれだけのUA値がいるのか)、それに応じた断熱材を選択し、慎重に施工する。それが、最終的には家全体のUA値に影響します。
