耐震性の問題というと、「専門的で難しい」「調査しないと分からない」と思われがちですが、実は現地をよく見ることで分かる危険サインも数多く存在します。中古住宅を購入する前や、住んでいる家の安全性を考える際には、まずは自分の目で確認できるポイントを知っておくことが大切です。
建物全体の傾き・違和感
建物から少し離れて、正面や側面を眺めてみてください。
- 建物がわずかに傾いて見える
- 屋根や軒先のラインが水平でない
- 隣家と比べてバランスが悪い
こうした違和感は、不同沈下や構造の偏りが起きている可能性を示します。特に古い住宅や、地盤の弱い地域では要注意です。
外壁のひび割れの位置と形
外壁のひび割れは、耐震性を考えるうえで重要なサインです。ポイントは「ひびの有無」だけでなく、位置・方向・大きさです。
- 窓や出入口の角から斜めに伸びるひび割れ
- 基礎の上部や外壁の隅に集中するひび
- 幅が広く、長く伸びているひび
これらは、地震や地盤の影響で建物に力が集中した痕跡である可能性があります。
単なる経年劣化と決めつけず、慎重に見極める必要があります。
基礎に現れる危険サイン
基礎は建物を支える最も重要な部分です。次のような点が見られる場合は、注意が必要です。
- 基礎に大きなひび割れがある
- ひび割れが斜めに走っている
- 補修した跡が多く残っている
特に、ひび割れの幅が大きいものや、段差を伴うものは、耐震性だけでなく、建物全体の安全性に関わる問題を含んでいることがあります。
建具の不具合は構造のサイン
室内に入ったら、建具の動きも確認してください。
- ドアや引き戸がスムーズに開閉しない
- サッシが引っかかる、隙間が不均一
- 開けたままにしても自然に閉まってしまう
これらは、建物が歪んでいるサインであることがあります。リフォームで一時的に直していても、根本的な原因が残っているケースも少なくありません。
床の傾き・沈み込み
室内を歩いたときの感覚も大切です。
- 歩くと床が沈む感じがする
- ボールを置くと転がる
- 部屋ごとに高さの違いを感じる
こうした症状は、床下構造や基礎、地盤に問題がある可能性を示します。家具の配置で気づきにくくなっていることもあるため、注意深く確認しましょう。
不自然な補修跡・後付けの違和感
目視調査では、「不自然さ」に気づくことも重要です。
- 一部だけ新しい材料で補修されている
- 壁や基礎に意味不明な補強がされている
- 理由の説明がつかない工事跡がある
これらは、過去に何らかの問題が起きていた可能性を示しています。売主や不動産会社の説明と照らし合わせ、違和感を残さないことが大切です。
目視は「入り口」、判断は専門家と
ここで挙げた危険サインは、あくまで目視で分かる入り口です。目立った異常がなくても、構造的な問題が隠れているケースもありますし、逆に、見た目以上に深刻な問題が潜んでいることもあります。 だからこそ、
- 「少し気になる」
- 「何となく不安」
という段階で、専門家の第三者チェックを受けることが重要です。
まとめ
耐震性の問題は、必ずしも専門機器がなければ分からないものばかりではありません。建物の傾き、ひび割れ、建具の不具合、床の違和感など、日常的な視点で気づける危険サインは確かに存在します。
大切なのは、「気のせい」で済ませないこと。目に見えるサインをきっかけに、住まいの安全性を見直すことが、家族の命と暮らしを守る第一歩になります。

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