白蟻(しろあり)と聞くと、どこか遠い話のように感じる方もいるかもしれません。けれど実際は、日本の住宅の多くが白蟻の被害を受けるリスクと隣り合わせです。
特に木造住宅では、「気づいたときには柱の中がスカスカだった」「床が沈み込んできた」といった深刻な被害例も少なくありません。
白蟻の被害は、見えないところで静かに進行し、建物の寿命や安全性に大きな影響を与えるものです。しかし、その生態や好む環境、兆候、対策を知っていれば、早期に発見し、被害を未然に防ぐことも可能です。ここでは、白蟻に関する基本知識から、設計上の工夫、点検のポイントまで、幅広く解説していきます。
内容
第1章 白蟻とはどんな虫?
1.1 白蟻の生態と種類
1.2 なぜ家を食べるのか?
第2章 白蟻が家に与える被害とは
2.1 構造へのダメージ
2.2 床やドア、建具の異変
2.3 家の寿命や耐震性への影響
第3章 白蟻の早期発見方法
3.1 羽アリの飛来
3.2 蟻道の発見
3.3 床のふわつき・空洞音
3.4 建具のゆがみや異常
3.5 木粉・穴あきなどの視覚的サイン
第4章 白蟻・腐朽菌が繁殖しやすい環境とは?
4.1 温度・湿度・暗さなどの条件
4.2 木材の含水率がカギ
4.3 腐朽菌と白蟻の違いと関係性
第5章 白蟻を寄せつけないための建築設計とは
5.1 床下通気・ベタ基礎・基礎高確保
5.2 通気層工法と換気計画
5.3 材料の防蟻処理と水まわりの設計
5.4 雨水排水・敷地勾配など外構の工夫
第6章 白蟻の好きな木・嫌いな木
6.1 食われやすい木材(スギ、マツ、ラワンなど)
6.2 食われにくい木材(ヒバ、チーク、イペなど)
6.3 木の性質と耐蟻性の関係
第7章 白蟻が疑われる住宅の異常サイン
7.1 一般の人でも気づける7つの兆候
7.2 チェックリスト付きで日常点検
第8章 まとめ:白蟻被害を防ぐために今できること
8.1 予防こそ最大の防御
8.2 建築時・改修時・居住中のそれぞれの対策ポイント
8.3 プロによる点検の重要性