住宅を新築すると、市区町村から「家屋調査のお知らせ」が届くことがあります。初めて家を建てた方の中には、「税務調査のようなものなの?」「何か指摘されるのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、家屋調査は違反を取り締まるための調査ではありません。固定資産税を算定するために、建物の構造や仕上げ、設備などを確認する調査です。調査自体はそれほど難しいものではありませんが、事前に内容を知っておくことで安心して対応することができます。
ここでは、家屋調査の流れや確認される内容、準備しておくべき資料について解説します。
家屋調査の目的
■ 固定資産税評価額を決定するために行われます
固定資産税は、市区町村が決定した固定資産税評価額をもとに計算されます。建物の評価額を決めるためには、
・どのような構造なのか
・どのような材料を使用しているのか
・どのような設備が設置されているのか
を確認する必要があります。そのため、新築住宅や増築した建物については、市区町村の職員が建物を確認することがあります。これが家屋調査です。なお、自治体によっては現地調査を行わず、図面や申請資料のみで評価する場合もあります。
調査当日の流れ
■ 一般的には30分から1時間程度です
家屋調査は事前に日程調整を行ったうえで実施されます。一般的な流れは次のようになります。まず、調査員が建物の外観を確認します。建物の大きさや形状、外壁の仕上げ、屋根の種類などを確認します。
その後、室内に入り、各部屋の床・壁・天井の仕上げや設備の内容を確認します。最後に、図面や仕様書との照合を行い、必要に応じて質問を受けることがあります。通常の戸建住宅であれば、30分から1時間程度で終了することが多いでしょう。
調査員は何を見るのか
■ 建物の構造・仕上げ・設備を確認します
家屋調査では、主に建物の評価に関係する部分が確認されます。例えば、
・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの構造
・建物の延床面積
・屋根材や外壁材
・床、壁、天井の仕上げ
・建具や収納の状況
・キッチン、浴室、洗面台などの住宅設備
・床暖房や全館空調などの特殊設備
などです。調査員は建物の豪華さを判断するためではなく、固定資産評価基準に基づいて評価するために確認しています。そのため、必要以上に緊張する必要はありません。
石目調や木目調の仕上げは説明しておきましょう
■ 見た目と実際の材料が違うことがあります
最近の住宅では、本物の石や木を使用していなくても、本物そっくりに見える建材が多く使われています。例えば、
・ 石目調クロス
・木目調クロス
・石目調フローリング
・タイル調サイディング
などです。固定資産税評価では見た目ではなく、実際に使用されている材料が重要になります。そのため、「これは本物の石ではなくクロスです」「これは木目調の化粧材です」と説明できるようにしておくと安心です。
特にアクセントウォールやデザイン性の高い仕上げを採用している場合は、誤解を防ぐためにも資料を準備しておきましょう。
準備しておくべき資料
■ 図面や仕様書を用意しておくとスムーズです
家屋調査では、建物の内容を確認するための資料があると調査がスムーズに進みます。準備しておくとよい資料としては、
・平面図
・立面図
・矩計図
・仕上表
・設備仕様書
・建材カタログ
などがあります。 住宅会社から受け取った「完成図書」や「引渡し書類」の中に含まれていることが多いため、事前に確認しておきましょう。特に仕上表や設備仕様書は、調査員が評価内容を確認する際に役立ちます。
よくある質問①
■ 家屋調査を断ることはできるのでしょうか
「家の中を見られたくないので断りたい」という方もいます。しかし、固定資産税評価のための調査は地方税法に基づいて行われるものであり、基本的には協力することが求められます。また、近年では図面や仕様書の提出を施工会社等に求めることも可能になっています。
そのため、「見せなければ評価されない」ということはありません。むしろ正しい資料を提示し、適正な評価を受けることが大切です。
よくある質問②
■ 家屋調査で固定資産税が安くなることはありますか
家屋調査は税額を安くするための手続きではありません。しかし、実際の仕様と異なる評価が行われないよう説明することは重要です。例えば、
・本物の石ではない
・本物の木張りではない
・高級設備ではなく標準設備である
などを正しく説明することで、適正な評価につながります。その意味では、資料を準備しておくことに大きな意味があります。
よくある質問③
■ 家屋調査の後に税額はいつ分かるのでしょうか
固定資産税額は家屋調査の当日に分かるわけではありません。調査後、市区町村で評価額を算定し、その後、固定資産税課税明細書や納税通知書によって通知されます。通常は翌年度の課税時期に確認することになります。
建築士からのアドバイス
■ 家屋調査は適正な評価を受けるための機会です
家屋調査という言葉を聞くと、不安になる方も少なくありません。しかし、実際には住宅を適正に評価するための確認作業です。必要な資料を準備し、建物の内容を正しく説明すれば特に心配することはありません。むしろ、石目調や木目調の建材など、見た目だけでは判断しにくい部分について説明できる良い機会ともいえます。
まとめ
■ 家屋調査の内容を知っておけば安心です
家屋調査は、新築住宅の固定資産税評価額を決めるために行われる調査です。調査では建物の構造、仕上げ、設備などが確認されます。事前に図面や仕様書を準備しておけば、調査はスムーズに進みます。
また、石目調や木目調など見た目と実際の材料が異なる場合は、誤解を防ぐためにも説明できるようにしておきましょう。家屋調査の目的を正しく理解し、落ち着いて対応することが大切です。
