白蟻の被害は、一般的に床下や壁の内部など目に見えないところで進行します。しかし、いくつかの「視覚的なサイン」が現れることで、被害の存在を察知することができます。その中でも代表的なのが、木粉のような細かい粉末の出現や、木材の穴あき、壁の異変などです。これらは一見些細に見えるかもしれませんが、白蟻や木材害虫による被害が進行中である可能性が高い重要な手がかりです。
目に見える白蟻被害の代表例
木粉(もくふん)が落ちている
木材の表面や床の上、押し入れ、畳の下などに、細かい茶色の粉末がたまっている場合、それは白蟻や乾材害虫(アメリカカンザイシロアリなど)によって木材が内部から削られた痕跡です。
症状 | 原因 |
---|---|
木粉が継続的に出続ける | 木材内部に生きた白蟻がいる可能性 |
粉の色が明るい | 最近の食害である可能性が高い |
木材の小さな穴あき
木材の表面に直径1~2mm程度の丸い穴が開いている場合は、白蟻や木材害虫が内部から這い出てきた穴の可能性があります。
特に注意すべきなのは:
- 同じ箇所に複数の穴がある
- 穴のまわりに粉が付着している
- 押すと表面が崩れるほど脆くなっている
こうした穴あきは、白蟻がすでに材内部に巣を作って活動していた痕跡です。
クロスや壁の表面に浮き・変色がある
白蟻は壁の中の間柱や下地材も食害します。そのため、壁紙の表面に次のような変化が現れることがあります。
視覚的異常 | 考えられる原因 |
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壁紙が浮いている | 内部の木材が失われて支えを失っている |
表面が変色・シミ | 湿気がこもり、白蟻の活動が活発化している |
壁に筋のような跡 | 白蟻の“蟻道”が壁の裏側を這っている可能性 |
こうした異常が出る場所は?
白蟻による視覚的サインは、以下のような場所でよく見られます。
- 畳の下や収納の奥
- 床の隅・柱の下部まわり
- 外壁の基礎部分近くの木材
- 押し入れ・クローゼット内の壁や床
- 洗面所・台所など水気の多い場所の木部
こうした箇所に日常的に目を向けておくことで、早期発見につながります。
発見したときの対応
見つけた粉や穴はそのままにしておく
掃除機で吸ってしまうと、発生箇所の特定が困難になります。まずは写真で記録し、いつ・どこで・どのくらい発生しているのかをメモしておきましょう。
被害箇所を叩いてみる
「ポンポン」と空洞音がする場合、内部の空洞化が進んでいる可能性があります。
自己判断で薬剤を使用しない
市販の殺虫剤では、内部の巣まで届かず効果が薄い場合が多いため、専門業者の点検が推奨されます。
まとめ:見える異常は“氷山の一角”
木粉や穴あきなどの視覚的サインは、白蟻被害がすでに進行している証拠であり、「見えるようになった」ということは、内部ではさらに深刻な状況になっている可能性があります。
小さな木くずひとつが、家の危機を教えてくれる。
だからこそ、“見て、気づく力”が家を守る力になります。
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